前回の記事では、予約単価を上げる効果的な方法を紹介しました。続編となるこの記事では、予約後〜参加前に効率的にお客様にアプローチできるマーケティングオートメーションを詳しく解説していきます。
前の記事をまだ読んでいない方は、是非こちらから見てみてくださいね。
予約後〜参加前にアプローチ
予約単価を上げるためには、様々なシチュエーション別に施策を行うことができますよね。まずは予約後〜参加前のアプローチをどのようにすべきか再確認しましょう。
予約後は新しい見込み客になっている
お客様が自社の体験商品に予約をしてくれた後は、参加する体験をよりよくしたい気持ちがあります。つまり、予約後から体験への参加時までには予約単価を上げるためのチャンスが眠っているのです。
整理すると、予約後のお客様 = 予約単価を上げるための新しい見込み客といえますよ。
まだ予約をしてくれていない潜在的なお客様とは大きく違うので、より高い確立でより良いサービスを使ってくれる可能性があります。
見込み客とは何か … 見込み客とは、自社の製品やサービスを利用あるいは購入する見込みのある人や企業のことです
見込み客の一般的な定義より
参加前は効率的な対応が必要
予約後の見込み客への対応は、「予約後〜参加前」と「現地での参加」に分けられます。
現地での参加時のアプローチは、あまり複雑なものはいりません。お客様がその場で直接見て判断できるので、複雑な仕組みはセールトークや要らないのです。
一方で、予約後〜参加前は全く別物。お客様は情報が乏しいだけではなく、参加に必要な情報を効率よく処理したいという行動が大半を占めるため、現地のような丁寧なアプローチは逆効果になります。
必要だったらこの情報だけみてくださいというような、効率的な方法で対応する必要がありますよ。詳しくは別の記事で紹介していますので、見てみてください。
従来のマニュアル作業からの転換が必要
お客様へ効率的に情報を届ける場合は、人の手を使って1つ1つ対応するのは限界がありますよね。予約数が少ない時期ならまだしも、繁忙期や人手が少ない時は対応ができなくなってしまいます。
つまり、従来1つ1つやっていたようなお礼メールの送信作業や、電話での参加確認では、見込み客に効率的にアプローチすることができません。
こんな時はシステムやツールを使った、自動化を行うことがポイントになります。
マーケティングオートメーション(MA)とは?
巷でマーケティングオートメーション(以下「MA」といいます)という用語を聞きますが、いったいどんな意味なのでしょうか?
この記事では知っておきたいポイントだけに絞って記載しますので、更に詳しくMAを知りたい方は検索などして探してみてくださいね。
通常は見込み客への効率的なアプローチに使われる
マーケティングオートメーションは、その名の通りマーケティング活動を自動化するための手法です。B2CのビジネスでもB2Cのビジネスでも使われており、「使い方」がポイントなる最新のマーケティング手法といえますよ。
B2Cビジネスの場合(お客様が主に個人)
旅行サイトや旅行会社、EC業界など様々なB2Cの業種では、様々な箇所へMAの導入が盛んに行われています。
主なMA利用は、登録された会員へのアプローチがメジャーで、会員ごとにメルマガの内容を変えて送ったり、特定の条件を満たした会員だけLINEのプッシュ通知を使ったり、予約後のアップセルやクロスセルを狙うことが多いです。
更に進んだサービスでは、Webサイトへの訪問を解析することで、サイト外であるオンライン広告と連動させたり、特定の見込み客だけお得な情報を表示したりします。
どちらも共通して言えるのは「温度の高い見込み客(HOTリード)」へどのようにして効率的にアプローチできるかがポイントになっています。
B2Bビジネスの場合(お客様が主に法人)
B2Bビジネスの場合は、見込み客であるリードの獲得から、その後の商談化に繋げるための手法として使われることが多いのが現状です。
この記事はB2Cである現地体験事業者の皆さんがメインとなるため詳細は割愛しますが、CRMやSFAなどのツールと合わせて、MAを使うB2Bのビジネスが非常に増えています。
というのも、MAはB2Cに比べてもB2Bの方がビジネスの性質的に合いやすいためです。もしB2Bビジネスでの活用に興味がある方はお問い合わせください。
何を自動化するかが大事
MAを考える時に何よりも優先して考えたいのが「何を自動化するか」です。つまり、自動化しなくても人の手の方が早かったり、そもそも対象が少ない場合はMAを導入する意味がありませんよね。
自動化する対象で考えたいのが、以下の項目です。
- 対象項目や件数が多いか
- 頻繁に対応が必要か
- 自動化して効率化することでお客様にもメリットがあるか
項目を見ると分かる通り、非定型的な作業には向きません。例えば季節限定で行うもの(キャンペーンの設定)や、その場でしか発生しない対応(詳しい内容のお問い合わせへの回答)は人が対応する方が早いですし、効果的です。
MAを活用するためには、通年でやっていて、反復的で同じような作業を人がやっているものが効果的になりますよ。
普段対応している作業を考えてみる
現地体験ビジネスにおいて、通年でやっていて、反復的で同じような作業とは何が思い当たるでしょうか?
もちろん現地でのお客様へのご案内やセールストークはありますが、ここはMAを使って効率化する部分ではありませんよね。人としてのサービスがあって、始めて成り立つのものです。
反復的でかつ人手が必要なものは、予約後のお客様へのご案内ではありませんか?
1つ1つの予約に対して、お客様へ個別のご案内をしている方も多いと想いますが、ここはMAの使える大きなポイントといえますよね。
また、頻度高く定期的に登録しているお客様へメールマガジンを送るような時も効果を発揮できます。
現地体験にMAのおける使い道
では現地体験ビジネスの中で、より詳しいMAの使い道を考えていきましょう。
新規予約には使えるのか?
お客様がサイトへ訪問して予約を悩んでいたとしてます。この時にMAは使えそうでしょうか?
もし会員登録などの機能を持っており、かつお客様がログインなどしてくれていれば、後からMAを使ってフォローアップのメールを送れると思います。また、既に一定数のお客様の情報を持っていて、メールマガジンを送る場合にも使えます。
更にやろうとすれば、サイト内で一定の行動をした人だけにオンライン広告を出したり、特定のSNSのフォロワーだけにDMを送ったりも考えられます。
ただ、新規予約を狙う施策としてMAが取り組みやすいかというと、「No」です。新規予約の獲得を促進するMAを行う上では「シナリオ作り」が必要になりますが、このシナリオ作りが曲者です。
こんな時はこういったメールを送る、サイト上のこういう行動がポイントなるなど定義が必要なので、通常は専門的な職種がこれだけやることが多いのです。
そのため、出来るのであればとってもおすすめですが、現地体験事業者の皆さんが行う場合は費用対効果が悪くなってしまうのです。
アップセルを狙う(オプション追加やアップグレード)
本題の予約後の話に入りましょう。予約後に申し込んでもらった内容に対して、アップセル = 追加の販売をして単価を上げるにはMAはとっても効果的です。
予約後に必ずといって良いほど対応が必要なのが、お客様への参加のご案内です。このご案内にMAを使うことで、効率的かつ効果的に見込み客にアプローチができますよね。
このご案内の中にちょっとしたおすすめ入れることことで、お客様の好奇心も刺激できますよ。
- 実はこんな追加オプションがある
- この追加オプションがよく申し込まれている
- 似たようなプランにアップグレードできる
- 限定のプランへアップグレードできる
クロスセルを狙う(もう1つ別の予約を取る)
アップセルだけではなく、別の商品を予約してもらうクロスセルにもMAは有効です。
ECなどでよくある、「この商品を購入している人はこの商品も一緒に購入してます」というあれです。※使っている方も多いのではないでしょうか?
現地体験においては、同時に参加できるものを一緒におすすめしたり、別日に参加できるものをおすすめできますよね。アップセルだけではなく、クロスセルも一緒に進めることで単価UPをMAで狙うことができますよ。
おすすめしたいMAの取り組み
現地体験のMAの使い道が理解できたと思いますので、実際にMAへどのように取り組むのが良いのかご紹介します。
予約後〜参加前のおすすめを自動化
見込み客が定義しやすく、アプローチも行いやすい予約後〜参加前の対応から始めるのが一番費用対効果が良いです。※細かいシナリオの定義もいりません
ここをしっかりと固めることで、事前にアップセルが実現できたり、参加当日の追加申込にも誘発しやすくなりますよ。
特に人気の追加オプションや人気プランへのアップグレードに関しては、定員や残りの在庫、事前手配なども関係してくるので、可能な限り事前に受付しておくのがおすすめです。
追加オプションの似たプランへのアップグレードをおすすめ
おすすめの中で力を入れてもらいたいのが、商品本体に付属する追加オプションを後から追加できたり、似たようなプランへのアップグレードの提案です。
参加にあたってより良い体験にするために、お客様もしっかりと検討してくれるのが特徴です。
ポイントは、よく申し込まれるこちらが人気ですとさりげなくアピールすること。詳しくは別の記事で紹介予定ですので、そちらを読んでくださいね。
もし商品自体に追加オプションがなかったり、似たようなプランがない場合は商品企画から始めてみましょう。
一緒に予約されている体験をおすすめ
アップセルと一緒に可能な限りクロスセルも提案しましょう。難しいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、おすすめに入れておくことでお客様の選択肢が広がり、意外と活用をしてくれることが多いのです。
例えば午前の体験であれば、午後で出来る体験をおすすめ(逆もしかり)。1日がかりの体験であれば、その後の食事やリラックスできる商品(マッサージやスパ)などをおすすめすることもできますよ。
もしそんなに商品ラインアップがないよという方は、別の事業者の商品をおすすめすることも可能です。Nutmegには「相互販売」という仕組みがあるので、別の記事でご紹介予定です。
また、お客様の滞在が比較的長い地域であれば、前日以前や翌日以降も十分に可能性があるといえます。
ポイントは、せっかく参加されるなら是非これも一緒にと納得をしてもらうことです。詳しくは別の記事で紹介予定です。
まとめ
見込み客に効率的にアプローチできるマーケティングオートメーションは理解できたでしょうか?先端的なマーケティング手法に聞こえるかも知れませんが、実は既にやっていることを自動化するという単純な構造になっているのです。
そしてこのMAが現地体験業界で活用出来ていないのも実態です。本当は大きな効果があって更に業務も効率化できるのに、やらない手はありませんよね。
でもどのようにMAをやれば良いのだろう?で行き詰まってしまう方も多くいますので、今後の記事ではMAの導入や活用法などをご紹介予定です。
NutmegではスタンダードプランからMAを提供できるようになっていますので、よければ内容を見てみてくださいね。もちろんMAの使い方の相談なども受付中です。