売上を伸ばすための方法として、予約あたりの単価(予約単価)を上げる方法がありますよね。なかなか取り組みずらい施策だと思われがちですが、実は様々なことで上げられる方法があるのです。

この記事では、どのように予約単価を上げられるか解説していきますよ。

予約単価の上げ方

売上=予約数 ✗ 予約単価」で計算できますが、この予約単価を上げるにはどのようにすれば良いのでしょうか?まずはポイントとなる考え方をご紹介します。

単価を上げるには戦略が必要

予約単価を上げようとして、単純に価格の値上げや単価の高いものだけ並べるなど考えてしまうかもしれません。

しかし、単純に高いものを売るのでは全く効果が期待できません。価格をどのように見せるのかはしっかりと戦略が必要になりますよ。

どういった戦略が必要かというと、お客様の心情を踏まえてのアプローチするタイミングやその見せ方がとても大事になるのです。

予約の流れに沿って対応しよう

お客様が予約を行う時は、様々なステップを踏んで申し込みから参加に至ります。これをカスタマージャーニーとして捉えてお客様の心情を考えるのがポイントになりますよ。

つまり、予約前〜予約時〜予約後〜参加時といったそれぞれのステップでの対応を考える必要があるのです。

各ステップでお客様の心情は全く違います。これを理解することで、始めて予約単価アップの戦略が使えるようになるのです。

申込み段階と予約後の対応で異なる

予約前から参加までの4つのステップでは、お客様の心理が全く違います。中でも、予約前〜予約時の「申込み段階」と、実際に申込みを行ってから参加するまでの「予約後」は全くの別物です。

単価UPの戦略を考える時は、この2つの大きな差に着目してそれぞれの対応を考えていきましょう。

予約申込み段階の対応

まずは予約申込み時の流れから考えていきましょう。どのように対応するのが良いか紹介していきますよ。

最初から単価の高い商品をアピール?

単価UPと聞くと、最初から単価の高い商品をアピールしたいとおもうかもしれませんが、実際は効果の期待できない悪い施策となってしまいます。

なぜかというと、最初から表示される価格が高いとお客様が持っている予算を超えてしまい、最初から検討の対象に入らなくなってしまうのです。

皆さんがECで商品を買ったり、旅行でツアーやホテルなどを予約する時も同じですよね。最初から価格が高いものだけ並んでいると、中身をしっかり見ずに「予算内に収まるものだけ」を探してしまいます

では自然に単価を上げるような方に、お客様の意識を向けるにはどうすればよいのでしょうか?

追加オプションで魅力を伝える

基本料金はお客様の予算内に上手く収めつつ、実際はより単価の高いものへ自然にアピールするには「追加オプション」という概念が大切です。

追加のオプション=付加価値と捉えることができ、通常はこれだけしか出来ないけど、少しお金を足すとこんなことができるようになる!という意味になります。

これは現地体験だけではなく、ビジネスの様々な場面で使われて成功している共通の手法なのです。

詳しい追加オプションの使い方は、以下の記事を詳しく紹介していますので見てみてくださいね。

プラン化で単価を上げる

追加オプションと似たような考えで「プラン化」というものがあります。基本の商品をベースに、人気のオプションを最初から組み込んだ「付加価値のあるプラン」を一緒に表示することで価値を分かってもらうことができます。

ここで大事なのが、基本となる商品よりもお客様に「人気や満足度が高い」ということを理解してもらうことです。最初から価格だけ高い商品は見向きもされませんが、基本料金があった上で、人気や満足度の高いプランは検討の土台にあがるのです。

例えばサイトのトップページに人気ランキングを置いたり、基本商品のページに関連商品として表示したり、実際の予約人数を表示したり、口コミを紹介したりなどが主な手法です。

プラン化自体は以下の記事で詳しく紹介していますので、見てみてくださいね。

まとめ:予約申込時の対応は工夫が必要

追加オプションやプラン化でご紹介してきた通り、予約申込時に単価をアップさせようとすると、事前に多くの工夫が必要になります。

これはお客様が予約をするか検討するときに、他の販売サイトとの比較(競合や大手OTAなど)や予算の絡みで慎重になるためです。どうしようか悩んでいるうちに、予約自体をしてもらえないこともあります。

もちろん単価を上げる取り組みとしては大事なのですが、この後ご紹介する予約後の対応をやった後でも遅くはありません。時間や工数に余裕が出てきたら取り組みを行いましょう。

予約後の対応

予約申込段階では、単価をアップさせるには多くの工夫が必要だと理解できたと思います。では、予約後のお客様の心理はどうでしょうか?

予約申込時と比較しても大きな変化がありますので、詳しく見ていきましょう。

予約後は新しい「見込み客」になっている

お客様は一度予約をすると、予約申込み時と比較すると驚くほど変化が出ます。予約が完了することで大事な手続きが終わり、ホッとして心理的に安心するのです。

色々と悩んだ結果ようやく決めたことで、急に落ち着いた経験はありませんか?実はこのホッと安心した後は、追加の売上を狙える絶好のチャンスなのです!

予約申込時との大きな違いとしては、競合や他の販売サイトとの比較がなるなること。予約前は色々と比較して悩みますが、一度決めて予約をすると、よっぽど価格にシビアな方ではない限り継続して他との比較や細かい確認をしません。

つまり、予約後は追加の売上を狙える状態である「新しい見込み客」となっているのです。この見込み客にしっかり対応することで、予約申込よりも比較的楽に追加の売上が狙えるようになります。

当日の参加時は自然とアピールできる

予約後は2つのステップがあり、参加前と参加時に分けられますよね。

当日の参加時はとても分かりやすく、現地で追加できるオプションや内容を見て直に感じられるため、その場でアピールして対応を行うことで、より追加の売上を狙いやすい状況にあります。

セールストークをする時も、目の前で色々と見せたり、お客様との直接のコミュニケーションで提案できるので、自然とより価値のある体験に繋げやすいのです。

皆さんも、現地で売り込んで追加で買ってもらうような取り組みをしているところが多いと思います。

参加前に対応できるかが鍵

では予約後〜参加前はどうなのでしょうか?現地で直接見れるわけではないため、ある意味予約申込みと似たような状況といえますよね。

実はこの「参加前」にどのくらい事前にアピールできるかが大きな鍵になります。予約してから参加する前に、どういったオプションやプランがあるのか知ってもらい、更に良い体験にするために「お客様の感情」を上げていけるかが大きなポイントなりますよ。

ある程度事前に選択できるオプションやプランがわかっていれば、現地で見たときにもより一層申込みたくなる気持ちになりやすいのです。参加時にも効果を発揮一石二鳥のアプローチなので、使わない手はありません。

また、事前に選択肢を見せておくことで、一緒に参加する家族や友達と相談して、アップグレードしてくれる可能性もあります。

予約後〜参加前までの対応

ポイントなる予約後から参加前までの対応を見ていきましょう。

新しい見込み客にどのようにアプローチできるかで結果が大きく変わります。

1つ1つ丁寧に対応している?

予約後にお客様1人1人へ参加のご案内とともに、良い参加になるような提案をメールや電話でされている方もいると思います。このように丁寧に1人1人に対応するのは良いことなのですが、お客様の心情はどうでしょうか?

現地で直接追加できるオプションなどを見れる場合は、気持ちも高ぶるので直接的なコミュニケーションが効果的なのですが、参加前の丁寧なご案内や提案などは、実際は細かく見てくれている方が少ないのです。

予約が終わって安心しているところに、更に追加の案内が来ても、参加が近づいたら読めばいいかぐらいの気持ちになっていることが多いです。ご自身でも経験はありませんか?

こういったお客様の心情に対して、人が丁寧に1つずつコミュニケーションをしても、ニーズのマッチがしていないと言えますよね。

また、予約数が多いほど丁寧に連絡する作業が大変になるため、件数が多くなると1件あたりの品質も落ちる危険もあります。

知りたい情報を効率的に届ける

参加前のご案内に関しては、お客様は効率的に知りたい情報を処理したいというニーズが強いのです。

何か事前に準備すべきことはないか、一緒に参加するメンバーと調整をしないといけないことはないかといった、自ら行動を取るものに集中したい気持ちが強くあります

こんな時は、参加に向けた情報を主として提供することがニーズへのマッチになりますよね。見てもらいたい情報をピンポイントで伝えるのが大切です。

その上で追加のオプションやアップグレードは、時間があったら見てねと「補足的に添えて出す」ぐらいがちょうど良くなります。

作業を自動化する「マーケティングオートメーション」の出番

参加前にお客様の知りたい情報を届け、かつ補足的に追加のオプションやアップグレードを案内するには、事業者側は「効率的に対応すること」が大事になります。

つまり、定型的な作業を上手く自動化することで、数多くいる新しい見込み客に対して効率的にアプローチし、興味を持った温度感の高いお客様へ個別の丁寧な対応をするのがポイントです。

こういった反復的な作業をシステムやツールを使って自動化し、効率的に温度感の高い見込み客を洗い出してアプローチする手法を「マーケティングオートーメーション(Marketing Automation)」(以下「MA」という)といいます。

通常は初期のリード作りに使われることの多いMAですが、現地体験では予約後〜参加前ののアプローチに最適です。

詳しくは別の記事で紹介予定ですので、そちらをご覧くださいね。

まとめ

予約単価を上げる考え方や方法は理解いただけたでしょうか?何をやるにも、お客様の心情を汲み取った上での対応がとても大事になりますよね。

比較的難易度の高い予約申込の段階よりも、やりやすい予約後の対応がおすすめです。また、現地でのセールストークはやられている方が多いと思いますので、新規で取り組みをされるなら「予約後〜参加前」向けの対応を是非やってみてください。

特に現地体験向けのマーケティングオートーメーションは、一度使い始めたら癖になるぐらいの便利かつ効果的な機能ですよ。詳しくは別の記事で紹介していきます。