旅行業界の中でもホテル/航空業界では早割は一般的に使われています。
旅好き旅行者は計画を早めに行い、金銭面でスマートに手配をして、1年に何度も旅行を楽しまれています。
早割とは旅行者にとって既になくてはならない制度であり、旅行経験が豊富になるほど利用率も上がる集客戦略です。
早割は決してホテルや航空会社だけのものではありません。現地体験でも早割を活用することで早くお客様を取り込むことができ、運営の安定化を狙えるのです。

この記事では早割についてのメリットやNutmegでの設定方法、実施するタイミングなどについてご紹介をしていきます。

早割のメリットや効果

早割はお客様視点でのお得さもさることながら、現地体験事業者にとってのメリットの方が大きいプロモーションと言えます。
現地体験の価値を下げる「割引」をして販売しているのに、事業者にメリットがあるというのはどういうことなのでしょうか?

早割は収益を安定化させる

まず早割にはどういった効果が望めるのでしょうか?
ホテルや航空会社など旅行業界の中でも大きな収益を占めるセグメントで早割は広く普及しています。なぜこういった会社が今なお早割を使い続けているのかというと、もちろん収益が出るからです。ではなぜ割引してまで集客をするのか。

これは端的に言ってしまうと、ホテルの部屋であれ、飛行機の座席であれ、満席になることは稀であるからです。

当たりまえなのですが、常に満席で経営ができるのであれば早割を実施する必要はありません。これは現地体験においても同じことが言えます。
何か既得権益を持っており、限られた座席を満席状態にできる特殊な事情がない限りは、現地体験は多くの場合空席が何席もあるはずです。
繁忙期であっても、お盆の1日~2日間くらいは満席日がありますが他は数名分の空席はあることも多いものです。

早割とは、空席状況によって段階的に価格を変え、空席と収益のバランスを取るプロモーション施策ということになります。この戦略を図にするとこのようになります。

この図の例では、参加料金20,000円の現地体験を、予約日のリードタイム毎に価格を下げて集客します。各価格帯毎に設ける席数は基本的には価格が高いほど枠を確保しますが、状況により変化させていきます。こういった細かな調整を行い収益を最大化させることに現地体験の予約担当者はリソースを注ぎます。

現地体験は1年を通した稼働率が大切

現地体験の運営で意識すべきは繁忙期にいかに多くのお客様を獲得するかだけではありません。短期的には繁忙期の取り込みも大切ですが、それ以上に1年間を通じて稼働率の平均値を上げることが重要です。

繁忙期に予約するお客様のうち何割がもう一度予約をしてくれるリピーターになるでしょうか?
御社の現地体験をとても気に入り、また近いうちに参加したい!予定させ合えば来月にもう一回参加したい!と思ってくれるお客様を増やしていかないと、常に新規のお客様を獲得するために営業活動を続けていかなくてはなりません。

リピーター顧客が増えればこういった悩みを解決してくれるのですが、催行率が低いと希望日に参加できないので、いくら気に入ってくれても、いつか顧客離れが起きてしまいます。
また、常にリピーターのお客様だけで催行するのも現実的ではありません。現地体験の事業者は新規顧客とリピーターをミックスさせて、閑散期にも安定した催行をしなくてはならないのです。

早期募集が催行率安定のポイント

催行率を上げるためには何よりも募集を早く開始することです。旅行計画のリードタイムには平均値がありますが、早いに越したことはありません。
予約受付を最低でも3か月前には開始するようにしましょう。

そのうえで、一刻も早く空席を埋めていきます。待っていても問い合わせがくるとは限りません。特に現地体験では多くの場合に「最少催行人数」という制約があります
最少催行のルールがある場合には、早めに最低限の人数を確保するか、確保できる見込みを立たたせる努力が必要です。
残念ながらいつ催行しているのか分からなかったり、予約をいれても断られてしまう事業者の現地体験にはお客様は集まりません。

そこで効果を発揮するのが早割です。早割は、お客様に対して割引料金を提示することで早めに予約を促します。そのお客様単体で見ると儲けはないに等しいかもしれません。しかし、その代わりに最少催行を満たす算段がつくので予約を積極的に受付できるようになります。

早割実施前に知っておくべきこと

早割のメリットや役割を理解したところで、事前準備として知っておくべき知識をご共有します。(Nutmegでの早割設定方法をお探しの方はこちら)。

予約できる状態=予約遷移があること

上述した「予約受付ができるようになる」には、予約サイトは必須です。
予約フォームやメール問い合わせで受付をしてもいいですが、見づらいフォームでは予約に繋がりませんし、メール問い合わせが面倒というお客様も多数いらっしゃいます。

Nutmegを利用すればどなたでも予約サイトを簡単に作成をすることができます。
Nutmegデモサイト:
https://nutmegdiving.book.stg.ntmg.com/

自社サイトをお持ちでも、しっかりとした予約サイトと予約導線がないと早割を実施しても予約には繋がりませんのでご注意ください。

1席の価値は等しくはない

当記事の冒頭にもお店した図ですがもう一度ご覧ください。

階段のようになっている線にご注目ください。この図はイメージですので実際の早割ではもっと価格変動も起こるとは思いますが、大まかに催行日が近づくほどに販売価格は上がっていくという傾向は実例でも同じになるはずです。

お客様にとって、参加まで7日間を切っている状態では”価格”よりも”手配が確定されること”が優先されます。参加者にとっては同じ1席ですが、1席あたりの価格は等しくなく、むしろ差があっても優先度が違うのですから問題になりません。

安い価格で席を売り切ってしまったら、事業者としては収益率が低下してしまいますので、できるだけ高い価格で販売ができるように席数を調整しましょう。

安さの裏には条件あり

早割は催行率を高めるための施策、ということは覚えているかと思います。
催行率を高めるために安く席を販売したのに、キャンセルなどで催行率が下がってしまっては元も子もありません。

安く買える席は、キャンセル条件を厳しくする(キャンセル不可など)ようにして、座席数のコントロールが狂わないようにするのも大切です。

航空券も安いチケットはキャンセル不可だったりするのも、こういったコントロールを行うためです。

リピーター顧客特典クーポンで早期予約を奨励するのも打ち手

催行率を高めるには、元から参加率の高いリピーターを基準にして、新規顧客で売り上げの上乗せを狙うという考え方もできます

リピーターの方専用のクーポンを発行して先に予約をしてもらい、リピーターが参加する日に対して、新規顧客を集客する方法でもいいと思います。早割が催行率を高める唯一の方法ではありません。
クーポンの設定に関しては別記事をご参照ください。

早割設定方法

プロモーションから設定

Nutmegのグループ割設定方法をご紹介します。
プロモーション(キャンペーン)設定は、管理画面左のメニューバーにある「プロモーション」を選択することから始まります。

プロモーションを選んだら、プロモーションタイプ「早割」を選択します。

適用される日時範囲、早割の日数、割引率を設定する

早割を選んだら、「適用される日付の範囲」「早割適用期間」「割引率/割引額」を設定します。

①適用される日付の範囲
参加日または予約日またはその両方を満たした場合に早割が適用されます

②早割適用期間
X日前 XX:XXまでの予約で割引になるかを決めます。

③割引率/割引額
割引率や割引額を指定します。

ここまで設定をしたら、保存を行い設定は完了します。

Nutmegで作った商品ページでの見た目はこのようになります(下図)。バナーが表示され、分かりやすくアピールします。

編集と一時停止・中止設定

設定したプロモーションを編集する際は、えんぴつマークをクリックして編集画面に移動します。

プロモーションを一時停止または中止する際には、ステータスから選択して保存するだけです。一時停止/中止したプロモーションは再開することもできます。

早割の応用テクニック

期間毎に早割を設定

早割の期間毎にプロモーションを設定します。それぞれ分かれているため、期間毎に割引率を変えてみたり、期間自体を変えてみたりといった細かい調整ができます。


商品ページでの表示は下図のようになります。
プロモーションが重複する期間は、割引率が高いものが優先的に適用されます。

特定の日程に早割を実施

例えば、毎年お盆前の8月1週目だけは買い控えが起きてしまって、お盆に予約が入っても結局平均すると思った以上の売上にはなっていないなんてこともあると思います。

そういった”毎年の傾向”が実体験から分かっているならば、早割で集中的に集客を行い催行率を高めていきましょう。

早割を実施するおすすめのタイミング

閑散期の実施が最有力候補

早割は催行率を上げるために行うものですので、基本的には予約の少ない時期に実施するのがおすすめです。となると4月、6月、10月、11月などは実施したいタイミングですね!

4月の参加率を上げるなら、1月頃から早割は設定して周知していきたいところです。
1月ならお正月の年末年始商戦が終わったら4月の早割を行う、というように切り替えていきましょう。

繁忙期の集客を更に伸ばす

繁忙期は集客がしやすい時期ですが、それでも100%席を埋めることができる日は限られています。
毎年の傾向をデータから分析すれば、どの日程に対して早割を行うべきか見えてくるはずです。

あとはこの設定方法を参照して、集客を行います。

販売を開始したらSNSでも告知

早割を開始したらSNSでも情報発信をしましょう!早割はスピード感が大切ですので、使えるものはなんでも使い、一人でも多くのお客様の目に留まるようにしなくてはなりません。

まとめ

早割は割引というお得感でお客様を集客するという、いわゆる「キャンペーン」であることには間違いはありませんが、それ以上に現地体験の事業者にとって最少催行人数の制限を突破するカンフル剤的な使い方にもなります。

早期の予約が入れば、事業者としても計画が立てやすくなり、お客様を催行確定日に集めることでスタッフのリソースも有効活用することができます。
早期予約を獲得するために早割を活用して、催行率を高める打ち手としていただければと思います。特にお客様が集まりづらい閑散期にお客様を集めるのに有効です。