現在販売している現地体験商品の「貸切」プランは準備されていますでしょうか?
何人かのお客様との混同で行われる体験が多いのですが、中には自分たちだけで気兼ねなく楽しみたいというニーズが存在しています。
問い合わせ毎に見積もりを出し、対応することもできますが、始めから商品として用意しておくと参加検討段階のお客様への選択肢にもなり、結果的に売り上げ単価を後押ししてくれるプラス要因にもなります。
Nutmegを使い、どのように商品として設定していくのか、またいくつかの実用例もふまえてご紹介していきます。
貸切プランの需要は今後拡大する
これまでも貸切プランはほぼどのようなカテゴリの現地体験でも需要が存在していました。
例えば、「空港~ホテルまでの送迎をプライベートで行ってほしい」といった要望や、「現地観光ツアーの車とドライバーを貸し切って自分たちのペースで楽しみたい」といった問い合わせがお客様より多々寄せられています。
貸切プランを希望するお客様は平均的に予算(バジェット)が高く、品質を重視される傾向にあります。富裕層になるほど、混載を避け貸切を求めます。
また、家族旅行でも、祖父母と一緒だったり、友人の家族グループでの旅行などは人数単位が大きくなるので、一人頭の料金が下がり、貸切を選択するということも少なくありません。
新型コロナウイルスがもたらす貸切プランの重要性
2020年前半から猛威をふるう新型コロナウイルスにより国内外の旅行や現地体験に甚大な被害が出ています。これは当記事を書いている2021年2月現在でも事態は変わっていません。今後ワクチンによる集団免疫獲得や、その他のグローバルな取り組みで旅行マーケットは回復軌道に乗ると信じておりますが、コロナウイルスまたは未知のウイルスという見えない脅威から身を守る重要性を我々が忘れることはないでしょう。
これまで一定、特に富裕層による、需要があった貸切プランは不特定多数の人間同士の接触の機会が少なくなるため、より広いお客様層に浸透していくものと予想されます。
貸切プランの商品化はお客様のご要望を叶える他にも、従業員の安全性の確保や地域住民の生活を守るといった効果も考えられます。
混載による体験の安全性が低いと言っているわけではなく、より高い品質と安心感を参加者/事業者双方が感じることができるのが貸切プランです。
貸切プランを設定しよう!
「貸切」プランをNutmegで設定しよう
実際にNutmegの予約サイト構築システムを使って、どのように貸切プランを設定するのかご紹介します。
設定には2通りの方法がありますのでそれぞれ見ていきましょう。
設定方法➀ 追加オプション機能を使う
最も簡単でシンプルな方法が追加オプションの機能を使うことです。
(追加オプションについて詳細に解説した記事もありますので別途ご参照ください。)
これは、商品ページの中で、追加で販売したいオプションパーツを自由に設定できる機能です。「貸切プラン」というように名称は自由に設定でき、補足説明文もフリーフォーマットです。お客様に魅力や利点が伝わるようにしっかりと書きましょう。価格設定は大人・子供・大人子供共有・幼児・グループというように選択ができます。
追加オプションの設定だけでも購入は見込めますが、中には見逃してしまったり、理解ができずに購入しないパターンもあります。
そういったことも考慮して、商品タイトルや説明文、またはハイライトといった箇所でアピールをするとより効果的です。下記はハイライトで追加オプションについてメンションした例です。
追加オプションでの対応は、設定が簡単でおすすめの方法ですが注意点として、追加オプションはキャンペーンやクーポンの対象にはなりません。貸切ツアーを売り込むために、季節限定のキャンペーンを実施する、といったことは追加オプションではできないため、次のプラン化機能を使うことになります。
設定方法② プラン化機能を使う
Nutmegにおいてプランとは商品ページの単位の総称です。
内容はほぼ同じでも、別々に管理をしたい、温度感を変えてプロモーションをしたいといった場合には、商品ページ(=プラン)を分けて対応します。
<プラン>観光ツアーA
<プラン>観光ツアーA+昼食
(プラン化について詳細に解説した記事もありますので別途ご参照ください。)
以下画像ではすべて内容の同じ体験ダイビング商品です。
「現地集合」「送迎付き」「貸切」の違いのため、”プラン=商品ページ”を分けて販売しています。
なぜこのようにわざわざプランを分けるのかというと、プラン毎の販売促進や在庫管理ができる点にあります。
高単価で満足度も高くリピーターにもつなげやすい貸切チャーターをもっと売りたい!という事業者の要望も、プラン化すれば自由にキャンペーン設定をしたり、クーポンを作ってSNSで宣伝したりということができます。
貸切プランで単価アップ
~おさらい~ 売上は何でできているのか見てみよう
「売上」をどう増やすのかを考えてると、現地体験商品ではこのような要素で成り立っています。
売上 = 商品単価 X 人数(または予約数)
「参加人数」は狙って増やすことが難しく、連休中はグループや家族が増える傾向があるとはいえランダム要素もかなりあります。「予約数」を増やす打ち手は様々ありますので別記事もご参照ください。
ここでは商品単価に着目したいと思います。
商品単価を高めることができれば、予約数や参加人数が減少しても売上を上げたり平均値を押し上げたりすることができます。
”商品単価を高める”とは値上げという意味ではありません。値上げは商品の内容や価値は変わらないのに値段だけが上がることで、商品単価アップはサービス内容や価値時代が高まったことによる結果です。
それはつまり「付加価値」と言い換えることができます。
付加価値にも100社あれば100通りの方法がありますが、「貸切」という軸での商品化は消費者であるお客様の立場にも分かりやすい&欲している付加価値と言えます。
価格設定
貸切プランの適正価格については正解はありません。旅行業界での経験からのアドバイスとしては、混載での現地体験料金の1.2倍~2倍の範囲内が適正と考えます。
それ以上の価格設定は、富裕層以外には受け入れ難く、また富裕層の旅行者は経験も豊富で見る目も大変厳しい方々ですので、ただ貸切だからというだけでは高い価格をすんなりと受け入れてはくれません。他にも付加価値が必要になります。
まずは上記価格設定の範囲で実施して、予約に至る件数などを見ながら微調整していくことをおすすめします。
鉄板コースの貸切プランを作るだけで販売機会がアップ!
自分で行き先を全部組み立てて、移動や解説をガイドにお願いしたいと考えるお客様は実は少数派。
自由すぎると逆に何をすればいいのか分からなくなってしまうものです。
鉄板コースや定番商品の貸切バージョンを用意して、予約受付ができるようにページのメンテナンスをしておくだけで、単価の高い貸切商品に予約が入る可能性が高まります。
周りのライバル会社や旅行会社のサイトを見ると気づくことですが、貸切などはお問合せ・見積ベースになっていることが多く、パッと予約ができるサイト運営をしている事業者はとても少ないのです。
やるかやらないか、その違いだけで集客に差が生まれます!
需要の多い貸切送迎
貸切り・プライベートでの催行で最も希望が多いのが送迎です。空港~ホテルへの送迎や、都市間の送迎、観光地への送迎、といった移動手段を貸切にしたいというお問い合わせは大変多くなっています。特に海外の空港とホテルの移動は個人では難しい場合も多く、現地の方が付いてくれるとこれ以上心強いものはありません。
もし送迎を商品として扱っている、または扱える場合には貸切の送迎プランを用意しましょう。予約率が高いばかりでなく、当日ドライバーの力量次第では、お客様の空き時間を聞き出しアップセルに繋げるといったコンサルにも発展可能です。
アイテムに差をつけて貸切プランを演出
貸切プランを申し込まれるお客様は、ここまでにも説明したように富裕層が多いものの、ニューノーマルの生活様式の中でより安全に楽しみたいというお客様も含まれると考えています。
お客様を思い浮かべて(ビジネス用語でペルソナとも言います)貸切プランを作ると、こんなアイテムやサービスを用意してみようというアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。
例として、富裕層を対象にした貸切空港送迎なら、長時間座り続けた腰にいいクッションを準備したり、揺れの少ない車両を使用する、フライトで乾いた喉を潤す水をドアポケットに入れておく、というような感じです。
結果的に高単価になる貸切プランの購入率が高まるので、売上アップに繋がります。
旅の上級者向け 時間単位の貸切プラン
観光ガイド業をされている方からよく受ける要望です。
3時間でいくら、6時間でいくら、といった売り方への対応もできます。
商品編集ページに入り、「価格」タブを開きます。
ユニットタイプを「カスタム」にして、「表示名」に例えば”~3時間まで”とマニュアルで入力します。ユニット単位がもっとあれば、価格を追加していきます。
下記画像は3つのユニットをカスタムで追加したものです。
こうすると、3時間までは15,000円、6時間までは28,000円、7時間以上は追加で1時間ごとに5,000円の料金がかかるのだと判別できます。
この方法を使えば、行先はお客様の要望を聞きながら、予め購入いただいた時間数の中で催行するといったスタイルが可能になります。
予約フォームを使って訪問希望地を事前にヒアリングする
時間単位で販売した場合など、お客様が当日どこに行きたいのかを予め知りたいですよね?また、お客様の立場で考えても、行きたい場所が何か所もあり、土地勘がないので所要時間が分からず予約できない、というように思われるかもしれませんね。
予約フォームは、予約ステップの完了前段階に、事業者が聞きたい情報を任意で設定して表示させる機能です。
例えば氏名、年齢、性別といったよく使われる項目はNutmegがテンプレート化しています。カスタム項目を使えば、「訪問希望場所」というような商品にあった必要情報を事前にヒアリングすることができます。
6時間の貸切プランで〇〇とXXという観光地に行きたいというリクエストが分かれば、時間の延長や、逆に余るからここにも行きましょう、といった顧客別のコンサルができますので、顧客満足度にも良い影響を与えます。
まとめ
現地体験をそのまま貸切にするという要望は以前からも一部のお客様からはあがっていたものです。コロナ禍のニューノーマルの時代では幅広いお客様からもプライベートな体験ができるプランへの要望が増すと考えられます。
Nutmegは現地体験における多くの貸切商品に対応しており、今すぐにでも既存商品の貸切化を販売開始することができます。
貸切プランはお客様の需要を取りこむだけでなく、販売単価を上げる手法でもあります。特に送迎や人気コースの貸切化は費用対効果が高くおすすめです。