仕事や学校から離れた場所で、楽しい経験を分かち合える友達と過ごす「友人旅行」はポピュラーな旅行形態の一つです。
友人旅行は家族旅行と並んで、個人旅行セグメントの中では参加者人数を取れる重要な売上ポイント。参加者人数を多く取れれば、売上は単純に上がります。
今回の記事では、友人旅行を増やすための施策として、「グループ割引」の設定方法や実施するタイミングについてご紹介をしていきます。

グループ割の効果

グループ割は一般的に「友人」同士の旅行者を対象としたプロモーションです。一人旅よりも、現地体験に参加した際の参加人数が増えますので、その分収益が当然高くなります。ぜひとも取り込みたいマーケットですよね!

ターゲットは20代~30代の若者世代

参加人数を増やして利益を上げるためにグループを取り込むのが効果的ですが、なぜ「グループ割」がいいのでしょうか?
その仮設を考えるには、友人旅行をするお客様がどういった人物なのかを知ることが大切です。

(公財)日本交通公社_旅行年報2020によると、友人旅行者の約50%は未婚の男女であり、20代中頃の顧客が多いとされています。


この傾向は納得いただける方も多いのではないかと思います。10代~20代前半まではギリギリ家族での旅行も行きますが、だんだんと友人旅行が増えていき、自分が所帯をもつようになる30代に入ると友人旅行は自ずと減り、新しい家族での旅行が増える。こういったサイクルが繰り返されていきます。

平均参加人数は3人

現地体験の友人(グループ)同士の参加人数は、海外/国内旅行で多少差は出ますが、おおむね2~4名の間、平均すると3名が多くなります。
株式会社ミュゼプラチナム様によるF1層(20~34歳の女性)に対する調査でも、「旅行に誘える友達は平均2.9人」とされています。
ツアーやアクティビティのオンライン販売に約10年携わった筆者もこの調査結果と同じ実践感覚でいます。男性グループは女性よりもわずかに人数が増える傾向もありますが、おおむね3~4名の間と考えて差し支えないでしょう。

家族旅行は子供を含めて3~5人ほどですが、グループは大人が3名です。大人の方が現地体験の参加料金は高くなりますので、グループの獲得は収益率アップに直結します。

グループはコスパ重視

20代~30代前半くらいまでのお客様が、友人旅行のコアカスタマー層になります。
現地体験や宿泊先に予算をかけるのではなく、友人と楽しむことが目的であるこの年代では、品質よりもコスパ重視になるのは想像がしやすいかと思います。

まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン「マナミナ」でのアンケート調査では、友人旅行は家族旅行の1/3ほどの予算であったとのことです。

グループは薄利多売だと思われるかもしれませんが、友人旅行は全旅行マーケットの20%を占めるほど大きなマーケットです。
これらお客様にはグループ割が最もシンプルで効果的なプロモーションといえることがご理解いただけたのではないかと思います。

グループ割設定方法

プロモーションから設定

Nutmegのグループ割設定方法をご紹介します。
プロモーション(キャンペーン)設定は、管理画面左のメニューバーにある「プロモーション」を選択することから始まります。

プロモーションを選んだら、プロモーションタイプ「グループ割」を選択します。

人数条件と割引率の設定

グループ割を選んだら、何名以上から適用になるのかの条件付を行います。
1名から設定が可能ですが、グループ割として違和感も出てきてしまいますので、「3名以上から」などで設定してみて、反応を見ながら増やしたり減らしたりするのがおすすめです。

人数条件を決めたら、次に割引率または割引額を入力し、保存をするだけで設定は完了します。

Nutmegで作った商品ページでの見た目はこのようになります(下図)。バナーが表示され、予約検討段階のお客様の後押しになります。

編集と一時停止・中止設定

設定したプロモーションを編集する際は、えんぴつマークをクリックして編集画面に移動します。

プロモーションを一時停止または中止する際には、ステータスから選択して保存するだけです。一時停止/中止したプロモーションは再開することもできます。

参加人数で異なる割引率を設定する

グループ割をより効果的にするテクニックが参加者人数に比例して割引率を高める手法です。
友人旅行の平均参加者人数は3名前後ですが、稀に6名、7名といったグループも存在します。こういった中規模なグループを競合店に渡さずに、自社で獲得するには、参加人数に応じてインセンティブ(=割引)を提供するのがおすすめです。

人数毎にグループ割を設定

対象人数に応じてグループ割を設定する場合でも基本の設定方法は前述の方法と同じです。
例えば、前述のサンプルでは3名グループは10%引きという割引設定を行いました。では今度は4名グループは15%引きという設定を加えてみます。

この設定を保存すれば完了です。
商品ページでの表示は下図のようになります。

小ネタ~幹事役のお客様が管理しやすい価格設定も意識しよう~

友人旅行には幹事または仕切り役になるお客様がいます。幹事役の方は、グループが楽しめるように積極的に旅行雑誌やウェブサイトでリサーチを行い、現地体験も様々なサイトを比較して、最もお得に安全に楽しく参加できそうかを見定めて予約をします。

幹事としては安いだけではなく、なるべく管理しやすい金額設定にしてほしいもの。
端数が出るような金額設定よりも、税込み価格でお釣りが出ないような価格設定だとちょっとだけ喜んでもらえます。意思決定の決め手になるほどの重要性はありませんが、知っておくといいかもしれません。

グループ割を実施するおすすめのタイミング

グループ割の対象のお客様は20~30代のお客様が中心になります。この年代のお客様の行動パターンを想像していくのがポイントです。

ここからは「日本交通公社_旅行年報2018」のデータを参照してご紹介します。

友人旅行の出発月は3月・5月・8月・9月が多い

やはり友人と予定が合わせやすくなる時期に旅行が集中する結果になります。
最も多いのは8月の夏休みで、20代の学生は長期休暇になるため友人との旅行計画が立てやすい時期ですね。3月の春休みも、8月に次いで多く、この時期も学生グループが中心です。

5月のGWや9月のシルバーウィークになると社会人の友人グループが増えてきます。

これら出発月は旅行代金が高くなる時期です。少しでも予算を抑えたいと考えるのが友人旅行ですので、グループ割引は効果的なプロモーションといえます。

アフターコロナの時代でも、まだ日本人の休暇時期に大きな変化は見られないと予想されますので、しばらくは友人旅行を仕掛けるタイミングも把握しやすいのではないでしょうか。

リードタイムを考慮する

ではいつからグループ割を設定して集客を開始すべきかですが、友人旅行の場合には旅行の1~2ヶ月前に予約をする割合が最も多く、次に3~5ヶ月前予約が多いというデータがあります。
かなり前から計画して予約をしていくので、グループ割に関してはほぼ通年表示しておく必要があります。

家族割など他のプロモーションと重なると、商品ページも分かりづらくなってしまうため事業者毎に顧客ターゲットを選定して実施するのがいいでしょう。

販売を開始したらSNSでも告知

グループ割を開始したらSNSも使い、お客様に情報発信をしましょう。特に友人旅行の層はSNSで情報収集を行う年代でもあります。

まとめ

友人旅行は旅行マーケットの2割を占め、年代も20~30代が多く、プロモーションもかけやすいターゲットになります。企画内容も大切ですが、友人旅行の場合はコスパ重視の傾向が強く、お得感を全面に出すグループ割は売上げアップに効果的です。

グループ予約を狙うならば、Nutmegの商品ページにグループ割を設定して、今すぐに集客を開始しましょう!