現地体験の予約サイトにおけるスケジュールの役割は一言でいうとサービスの見える化です。始まりから終わりまでの一連の流れを分かりやすく体系的に見せることができなければ予約は入りません。
この記事ではスケジュール作成に役立つテクニックをご紹介します。ちょっとした工夫で予約数に変化が見られるようになります。
スケジュールを用意するメリット
現地体験型の商品を提供する事業者様のホームページをこれまでに沢山拝見してきました。その経験からお話しすると、スケジュールがしっかりと作りこまれているサイトは大変少ないのが実情です。WordPressやホームページビルダーといった汎用性を重視したサービスでは現地体験のスケジュールという特殊なニーズをカバーすることは難しいのでしょう。Nutmegは現地体験に特化したサービスのため、スケジュール作成も簡単です。
明確かつ魅力的なスケジュールを設置すると以下3つのメリットを得ることができます。
<スケジュールの主なメリット>
・お客様満足度向上
・商品内容深堀り
・問い合わせ削減
1つめにお客様満足度の向上。現地体験が➀いつどこでどのように始まり②何ができて③どのように終わるのかの流れを明確にします。これにより迷いなく予約に促すことができますしお客様自身の予定も組みやすくなります。つまり、総合的には満足度向上に繋がるのです。
2つめにスケジュールとは商品内容をアピールする最大の場所です。どこで何ができるのか、それがなぜ特別なのか(おすすめなのか)、伝える場所はツアータイトルでもハイライトでもなく、スケジュールです。なぜなら、スケジュールはお客様がウェブページの中で特に重点的に見る場所だからです。ファクトだけが並んだ無味乾燥なスケジュールではお客様の心は動かせません。想いを込めた魅力的なスケジュールに仕立てましょう。
3つめにお問い合わせを削減し、お客様とスタッフ双方の時間をセーブできます。お客様から何度も同じ質問を受けていたら回答を先回りしてスケジュールに載せる。これだけで問い合わせは減少し、お客様満足度向上にも繋がります。スタッフの対応時間が減らせればその分他の作業に取り掛かることもできますね。
また、スケジュールを充実させることで副次的にSEO効果も見込めます。
スケジュール作成テクニック
では、これらメリットに沿いながら具体的なテクニックをみていきましょう!
土台作り -時間と内容のベースを書き出す-
スケジュール作りの始めにやることはベースとなる骨子を作ること。ここは難しく考えず、ファクトを並べるだけで大丈夫です。
例をご覧ください。
8:00~8:30 ホテルお迎え (ホテル毎のお迎え時間は備考欄参照)
8:45 ABC広場到着
8:50 観光スタート
9:00 DEF(観光地名)
10:00 GHI(観光地名)
11:00 移動
12:00 昼食
13:00 ホテルお送り
このように、土台の段階では「時間」と「大雑把な内容」を書き出していきます。時間の表記が抜けている商品をよく見かけますが、基本的に時間は入れてください。季節による時間変動もNutmegでは対応可能ですので時間を調べて明記しましょう。
スケジュールをホームページに載せている事業者様の多くは、この土台の状態で終わっています。ウェブページを隅から隅まで見れば内容は理解できるのかもしれませんがそれでは不親切。ここで止まらず、次のステップに進みましょう。
事業者様の中にはこの時間は必ず厳守しなくてはいけないのではないか、守れないかもしれないから書きたくないという方がおります。お客様の多くは分刻みの時間を監視したいのではなく、どのような時間間隔で体験が進んでいくのかを知りたいのです。守らなくてはならないものではなく、お客様のイメージができるようにすることを優先するようにしましょう。
肉付け -コンテンツに具体的な情報を加える-
ベースとなる骨子の次は、最も時間のかかる肉付け作業に入ります。ここに注力するかしないかでお客様への印象が180度変わりますのでじっくりと取り掛かりましょう。
オーストラリアの世界遺産であるグレート・バリア・リーフでのツアーを例に進めていきます。
<土台>
9:00 世界遺産グレート・バリア・リーフ 到着
基本情報を書く
グレート・バリア・リーフについて「世界最大の珊瑚礁地帯」「全長2600KM=日本列島とほぼ同じ」「1981年に世界遺産に登録」という3つの基本情報を追加してみます。まだこの段階では文章の修飾や繋がりに気を付ける必要はありません。
9:00 世界遺産グレート・バリア・リーフ 到着
1981年に珊瑚礁として初めて世界遺産に登録された。全長は2600KM、日本列島とほぼ同じ大きさで、世界最大の珊瑚礁地帯である。
自分たちのサービス内容を書く
自分たちのサービスを利用すると何ができるのか、何が違うのか、具体的な情報を書き出します。付加価値があれば積極的にアピールしましょう!
ここでも、前後の繋がりや修飾語などは気にしなくて大丈夫です。コツは初めから文章をまとめようとはせずに、1センテンスずつ箇条書きのような気持ちで書き出していくことです。
ここでは「ガイドによるスノーケルツアー」「ガイドはエコガイド資格保持者」が特徴であるとして進めます。
9:00 世界遺産グレート・バリア・リーフ 到着
1981年に珊瑚礁として初めて世界遺産に登録された。全長は2600KM、日本列島とほぼ同じ大きさで、世界最大の珊瑚礁地帯である。当ツアーの参加者はガイドによるスノーケルツアーを楽しめる。ガイドはエコガイドとして認定されている。
文章を繋ぎ合わせる
基本情報とサービス内容に漏れがないことを確認したら、読みやすいように繋ぎ合わせます。書き方のスタイルは事業者様それぞれですので、下記は参考例としてご覧ください。
<完成形>
9:00 世界遺産グレート・バリア・リーフ 到着
1981年に珊瑚礁として初めて世界遺産に登録され、一目見ようと世界中から旅行者が訪れるグレート・バリア・リーフ。全長は2600KMあり、その大きさはなんと日本列島がほぼそのまま収まってしまうほど!世界最大の珊瑚礁地帯でのツアーをお楽しみいただけるよう、当ツアーに参加いただくとエコガイド資格を持つ専属ガイドがスノーケルツアーに皆さまをお連れします。
補足情報や役立つヒントを書く(任意)
裏技的なテクニックとして補足情報や役立つヒントをスケジュールに書くというテクニックがあります。お客様への配慮として良い印象を与えることができますし、参加後の満足度向上にも繋がります。スケジュールのコンテンツが長くなりすぎてしまうと、本当に伝えたい事(商品内容)が埋もれてしまうのでアクセントとしてお試しください。
スケジュール内にスノーケルマスクの使用方法を記載した事業者様をご紹介します。
参照:ハロージンベイ
https://hellojinbe.com/activity/dddadc7b-1d99-5681-824e-24da7f4410e4
問い合わせの削減
多くの事業者にとってはお問合せは減らしたいものです。現地体験型商品に対するお客様からのお問い合わせ傾向をカテゴリ分けすると半数はこのいずれかになります。
・集合、解散場所
・現地体験の内容
・空き状況確認
空き状況確認に関してはここでは割愛しますが、いずれもNutmegを使うことで改善できるものです。
集合/解散場所や内容について、何度も同じようなお問い合わせをよく受ける方はスケジュールを見直すことで改善が期待できます。
集合場所であれば、「〇〇ホテル内のロビー 窓際のソファ付近待ち合わせ」と書いておいたり、「8:00~8:05の間にお迎え *道路混雑のため10分以上遅れる場合にはホテルへ電話を入れるので、フロントスタッフの声が聞こえる場所で待機してください」というように記載するなど、各事業者の質問傾向を分析して回答を予めスケジュールに入れておきます。もちろん、こういったことは備考欄に入れるという考えもありますが、問い合わせを減らしてお客様の不安を解消したい、スタッフの工数を削減したい、と考えるならばスケジュール内への記載がおすすめです。
ツアー内容に関する質問も分析すると傾向が見えてきます。例えば「ツアー途中の昼食で立ち寄るレストランではどういったドリンクメニューがあるのか?」という質問をよく受けているとします。「ソフトドリンクには地元採り立て野菜を絞った野菜ジュースや新鮮なオレンジジュースなどをご用意!地酒、地域限定のビールなどアルコールも多数あります」とスケジュールに記載をすれば、問い合わせ削減+商品アピールを同時に実現できます。
まとめ
現地体験のスケジュールとは、初めから終わりまで、いつに始まり何ができてどう終わるのかといった一連の流れを正確に表したものです。お客様の時間は有限であり、スケジュールが曖昧な商品は予約に繋げることはできません。当日のスケジュールを予めイメージできるようにすることでお客様は迷うことなく検討に入ることができます。
タイムスケジュールを書き出す以外にも、内容の魅力を伝えるためにスケジュールを活用します。スケジュールの充実は予約数を上げるのみならず、問合せを減らすといった業務効率の改善にも結びつく大切なアクションと言えます。