Nutmegには予約は事業者が確定処理をするまで決定にはならない「リクエスト予約」と申し込みと同時に確定になる「リアルタイム予約」の2つのタイプがあります。

この2つの予約タイプを適宜適切に使い分けられれば、予約機会を最大限活かすことができます。数件の積み重ねが、年単位だと大きな差にもなりますし、何より特別な投資が必要な企画ではありません。知っているかどうか、ただそれだけで実効できることですので、是非自社サイト集客に役立ててほしいと思います。

リクエスト予約を活かした販売促進

リクエスト予約の基本情報については、専用記事がありますのでよければご参照ください。

リクエスト予約はどの現地体験でも適用されるため、使用率はほぼ100%と言えます。
難しく考えず、「即確定ができない場合はリクエスト予約にする」、という考え方でまずはOKです。

そこからさらに深堀りしていくと、上手な使い方も出てきますのでご紹介したいと思います。

リアルタイム予約の引き立て役にする

事業者にとって、これまでリクエストでしか受け付けていなかった予約をリアルタイムに変えることはチャレンジであり、オーバーブッキングなどのリスクがよぎりますね。

一方で、お客様にはなかなかその難しさは理解されず、「当たり前」のように捉えられてしまいます。

旅行業界に長年従事している筆者からみれば、ツアー・アクティビティ業界において「予約が希望した瞬間に確定する(=リアルタイム)」は十分それだけで付加価値なのです。

リアルタイムで提供するために用意した環境、例えば予約スタッフへの教育コストや車両の座席確保などはコストとして現地体験の価格に反映すべきもの。
ただ、いきなり価格を上げると値上げのようになってしまいますので、見せ方に工夫を凝らせばいいのです。

<商品A>
■リクエスト予約プラン:10,000円(2名~催行決定)
■即予約確定予約プラン11,000円(1名からでも確定、希望日に実施しますといったPRを添える)

即予約確定を求めているお客様=多少の価格差よりもスケジュール優先、と考えられるのでこれくらいの価格差ならば十分検討の範囲内です。
今の現地体験の内容そのままに、売上単価を上げることができますね!

この販売促進テクニックのポイントは、あえて「リクエスト予約プラン」を掲載すること。即予約確定プランだけだと、何が特別なのか参照点がないので分かりませんので2つのプランを同時に見せることがポイントです。

「スタッフの指名」などリクエストのみで受け付けるプランを用意

上記の販売テクニックを使って、形を変えたアプローチもできます。
同じ現地体験でもリクエスト予約でしか受付ないプランを用意し、価格設定を行うのです。

<商品A>
■通常プラン:即予約確定、10,000円、日本語堪能なガイドが担当
■ベテランガイド確約予約プラン:リクエスト予約のみ、12,000円、10年以上のガイド経験を持つガイドでご案内

参加希望日によっては、ガイドの予定が合わないかもしれませんし、急な事情で対応ができなくなることもあります。しかし、手配の時間を待ってでも、申し込みたいというお客様がいれば、それは既に付加価値として成り立ちます。
上記はあくまで一例ですが、リクエスト予約=特別な手配としてリアルタイム予約と使い分けると、今持っている商品群だけでも売上効率が上がるかもしれません。

「オーダーメイド」や「人数限定」のプロモーション

一般的なEコマースでも、販売数や販売期間を限定した「受注生産」はよく行われています。
現地体験でも、少人数を売りにした特別な「プレミアム体験」を実施している事業者がいます。
そのプレミアムな内容ゆえに、手配が必要であり、一般客ではできない手配や旅程管理を行うことが価値に繋がります

お客様に旅程管理や手配の複雑さを理解していただくことは現実的ではありませんが、旅程内容の価値は伝るはず。

このような現地体験は、あえてリクエスト予約のみで受け付けることを強調してみるのもテクニックの一つです。
特別なプランだからこそ、リードタイムに余裕が必要であることを理解してもらい、高単価売上に繋げるのです。

リアルタイム予約を活かした販売促進

過去記事で紹介した図になりますが、改めてリアルタイム予約が有効な場面について触れたいと思います。
リアルタイム予約は、旅先で予定を決める「リードタイムの短い」お客様ほど効果が高く、こういったお客様にとっては予約できるか否かが最も重要であり、ツアー内容や品質への優先度は下がります
この点を踏まえ、リアルタイム予約(即予約確定)を活かしたテクニックを考えていきます。(既に、リクエスト予約の販促テクニックの項目でリアルタイム予約を使った手法も一部ご紹介済ですので、その他のアイデアを案内します)

早割との組み合わせで稼働率を安定化

現地体験では、1回あたりの催行キャパシティを100%にすることよりも、1年間を通した催行率を上げることが大切です。

その対策としておすすめなのが早割+リアルタイム予約を組み合わせたプロモーションです。

稼働率と催行率、どちらも両立できればもちろん良いのですが、より大切なのは催行率。稼働率100%は事業者にとっては嬉しいですが、お客様の視点では窮屈な気分になるかもしれません。ぎゅうぎゅうのツアー車両で1日過ごすよりも、少し空いているくらいの方がリラックスできて、ガイドとの会話時間も増えるため、総合的な満足度が上がります。

日本は欧米に比べて、長期休暇は取りづらいお国柄。休みも新型コロナウイルス後は分散していくかもしれませんが、今のところはGW・夏休み・年末年始など、大体決まった連休に集中します。

問題は閑散期の集客で、1年間の催行率を安定させるには、閑散期にもお客様を集めなくてはなりません。

早割で先々の予約を検討候補に入れてもらう仕組みを用意し、予定が立てやすいリアルタイム予約を併用して、予約率を高めます

早割の非対象日(14日以内の予約など)は、リクエスト予約のみに変えて、あえて早割促進を助長するのも良いでしょう。

最少催行人数を一時的にやめてみる

もし貴社が最少催行人数2名で、現地体験を実施しているのであれば、思い切って1名から予約確定とすることをご検討ください。

これは弊社担当者が過去に相談を受け、実施した施策でもあります。
現地体験事業者数社にて、2名の最少催行を1名に変更して、募集をしたところ、年間の総取扱人数が概ね増える結果が得られました。
渡航者/旅行者が少ないエリアでは、上手くいかないかもしれませんが、ある程度日本人旅行者数があるマーケットなら、最少催行人数をやめてリアルタイム予約を適用するだけで、参加者は増えるでしょう。

リピーターになってくれるような真の旅好きは、一人旅だったりするので、1名参加を歓迎している見せ方は大切なものです。

まとめ

今回はリクエスト予約とリアルタイム予約を使い分けて、売上に転換するテクニックをご紹介しました。お客様のニーズに合わせて、使い分けるのが基本です。ただし、設定するだけではとても勿体ない言葉によるPRや見せ方を工夫して、付加価値として販売することができれば、追加投資なく今この瞬間から単価アップにチャレンジできます。