Nutmegでは商品ページごとに、お客様からの予約をいつまで受付するかを決めます。旅行のスタイルも進化している今、予約期限の設定にも拘り広くお客様の獲得を目指していただきたいと思います。

当記事ではお客様の旅行スタイルの変化、それに伴う予約期限の合わせ方や、リアルタイム予約を活用した売り上げ対策などをご紹介しています。

旅のスタイルの変化について

私たち日本人の旅のスタイルは日々変わっています。当記事のトピックである予約期限の設定も参加するお客様の生活様式に合わせて常に変えていく意識が大切になります。

筆者は30代中頃です。子供のころの家族旅行は週末に旅行会社の店舗に行き、ガイドブックや雑誌を見せながら窓口で旅行の手配をするものでした。初めてのハワイ旅行では成田空港で旅行会社の方が待機しており、会社名が入ったネームタグをスーツケースに着け、ホノルル空港(現ダニエル・K・イノウエ国際空港)では同じパッケージ旅行の参加者同士で送迎車に乗りまず先に行くのが旅行会社の現地オフィス説明会。途中離席禁止で色々なオプショナルツアーの営業を受ける父親と、オフィス内のスペースで待つ子供たち。このようなスタイルが主流だったように思います。

月日が経ち、学生時代の卒業旅行では比較サイトを使い、自分たちで行ける予算内の旅行商品を探しリクエスト予約を行うという形に変化していきます。

その後、スマートフォンの普及がきっかけとなり、携帯端末の画面サイズの向上、企業ウェブサイトのUI/UXやセキュリティの進化に伴いFIT(Free individual Traveler)と呼ばれるお客様が自分で好きなパーツを選んで旅をするスタイルが増えてきたと感じています。

2020年には新型コロナウイルスが蔓延し、国内外旅行への移動の自由が制限された一方、オンラインツアーといった新しい旅行の楽しみ方も登場しました。

筆者個人の例もあげていますが、日本人集団としても旅のスタイルは変わり続けていると思います。事業者は、お客様の参加形態や傾向を冷静に分析しその時代にあった設定で商品の販促をしていくことが求められています。

予約期限の設定方法

予約期限とは

多くの場合、現地体験商品は予約が必要です。予約について参加日から何日前の何時まで受付るのかを決めることを「予約期限設定」と呼んでいます。呼び方は企業により異なります。Cut-offや手仕舞い日と呼んでいるところもあります。Nutmegでは予約期限で統一しています。

なお、商品登録時に予約期限の設定は必須項目となっています。

予約期限の設定方法

予約期限の設定は商品編集の「方針」タブから行います。

予約期限」という項目がありますので、商品毎に入力をして保存を押すことで実際のページに反映されます。

この画像のように、リアルタイムとリクエスト予約それぞれに違った予約期限を設定することができます。催行日間際だと手配に時間を取ってしまうので、リアルタイム予約の期限は長めにするというような使い分けができて便利です。

さらに、「~日前」と「~時間前」の2種類の期限を設定できるのでかなり細かな分け方にも対応できています。

基準になる時間軸は現地時間

予約期限はすべて現地時間でシステムが自動管理をします。商品ページの「在庫数と催行日を編集」内で、現地体験が行われるタイムゾーンを選択ください。

例えば、アメリカ合衆国ニューヨーク州を選択すれば、ニューヨークの時間で予約期限を管理します。お客様がどこから商品ページを閲覧していても統一した時間基準を保ちます。

リアルタイム予約との併用で売り上げアップ

旅行者の予約は直前化している

予約期限の設定を行う上で、旅行者がいつ予約をするのか考えなくてはなりません。
経験を踏まえてお話しすると、旅行者の予約は年々、直前化しています。トラベルボイスの記事では、通常時期(繁忙期ではない期間)は旅行サイト利用者の36%は0~9日以内に旅行予約を行ったというデータが公表されています。尚、この記事は2017年に書かれたもので、数年経った今はこの時よりも更に予約の直前化は進んでいると考えるべきです。

旅行者は「いつ」予約をするのか? 大型連休前は「1ヵ月前から」が最多、複数サイトの閲覧者ほど成約率高く(トラベルボイス, 2017年03月30日)

さらに、現地体験商品は移動手段やホテルといった必須商品を確保した後に初めて予約されるものですので、当日や前日に探し始めるお客様も少なくありません。今後も、直前化のトレンドは続いていくと思われます。

間際予約の課題と解決

旅行中に現地体験を申し込みされるお客様が求めているものとは、どういったものでしょうか?
既に現地にいて、空き時間ができたり気分が変わるなどして、何かしらの現地体験に参加したいと思っている。
その際にお客様が気にされるのは「評判(レビュー・口コミ)」「今空いているのか」「まだ予約ができるのか」の3点なのです。

Nutmegでは今後の開発も含めて、これら課題解決できる方法を提供し、事業者の売上アップをサポートします。

リアルタイム予約は当日~1日前まで受けると効果的

一つ前の図の続きです。申し込みと同時に予約確定となる「リアルタイム予約」はお客様にとって、「今空いているのか」の疑問を解消する解決策です。

ここに予約期限が加わると、最後の課題である「申し込みができるのか」をクリアでき、即予約の成立に結び付けることができます。

リアルタイムは直前予約にこそ効果を発揮するものですので、予約期限の設定は限りなく短く、当日~1日前まで受付けができるように設定しましょう

商品編集ページ内「方針」メニュー内で予約期限を決めます。0日前=当日と定義しています。

なお、自社の現地体験を他企業へ卸している場合には、Nutmegのサイトコントローラーを使うと在庫連携ができ、予約期限の短縮とリアルタイム予約がさらに活用できます。
他にも、別途開発費用はかかりますが、提携する企業と事業者の在庫を連動させるAPI開発もNutmegが行っておりますのでご相談ください。

リクエスト予約とも併用する

リアルタイム予約が強力であることは上述の通りとなりますが、手配の都合上、リクエストによる処理が必要な場合もあります。
そのような場面では、リクエスト予約を使うことには何ら問題はありません。

たとえば、参加日2日前まではリアルタイムで受付けて、前日~当日はリクエストベースとするという使い分けも多く活用されています。

ただし、参加日が近づくほどリクエスト予約に対する回答もスピーディーに行わなければいけませんので併用する場合にはダッシュボード(予約一覧)の確認を怠らないようにしましょう。

予約期限の適正範囲

短い予約期限が有利になるカテゴリ

旅行商品の中でもとりわけお客様による予約申し込みが間際になる傾向が強いカテゴリがあります。こういったカテゴリの事業を運営している場合には、1時間でも予約期限の短縮ができないか社内体制の見直しをかけることがおすすめです。予約期限の短縮だけでキャンペーン以上の効果に繋がることもあります。

お客様の予約が特に間際になる旅行商品
・送迎(空港送迎、都市間移動など)
・Wi-fiルーターや携帯電話レンタル
・マリンアクティビティ(ダイビング、スノーケル、パラセーリング、ジェットスキー、アイランドホッピングなど)
・乗馬、ATV、熱気球といった野外アクティビティ
・海外の体験教室(フラダンス教室、アクセサリー作り体験など)
・スパ、マッサージ、エステ

予約期限が長くても影響を受けづらいカテゴリ

上記とは逆で、予約期限の短縮があまり効果を発揮しない商品カテゴリもあります。

予約期限に余裕のある商品カテゴリ
・旅の主目的となる商品
・宿泊や移動(飛行機・鉄道旅行など)を含んだ旅行商品
・ランチ/ディナークルーズ
・資格取得やスキルアップにつながるレッスン系商品

補足をすると、例えばエアーズロック、グランドキャニオン、北海道の知床といった観光地を思い浮かべてみましょう。これら観光地に行くには普通は相当準備を行いますし、予算もかけています。こういった背景があると、予約も数か月前に済ませることになりますので予約期限が短い必要はなく、それ以上に在庫やキャパシティーの大きさが売り上げに影響を及ぼします。

ランチやディナーの付いたクルーズも現地体験の定番商品です。遊覧クルーズは隙間時間に乗船できたりするので間際予約も多いですが、食事付や夜のクルーズだとスケジュールを予め抑えるのが通例です。クルーズ以外にも、ヘリコプターなども似た傾向にあります。

資格取得やレッスンは、旅行の主目的の一つです。例えばダイビングライセンスやサーフィンスクールなどは何か月も前にお休みを申請して、旅行の計画を立てることは想像しやすいかと思います。

このように、一概に予約期限が短い必要はありません。ただし、予約期限が長いことはお客様にとってはデメリットでしかありませんので、できるならばここの商品カテゴリであっても短縮化が望ましくはあります。

競合他社の予約期限を分析

一つ、売上アップの具体的なテクニックをご紹介します。

ご自身が運営している現地体験のライバルと呼べる企業をベンチマークにして、その企業の予約期限が何日/何時間前なのか確認をして、自分たちはそれよりも短くしましょう。

すると、間際に駆け込んでくるお客様の需要を取り込むことができますよ!

まとめ

ここでは予約期限についての説明と設定方法、リアルタイム予約を上手に使って売り上げを上げる方法をご案内しました。
私たちの旅行の形式は時と共に変化しており、数年前よりも自由な楽しみ方をされるお客様が増えています。自由になった分、当日に予約を希望されるということも多く、事業者はお客様の傾向を正確に捉え、適切な予約期限を敷くことが求められます。可能な限り受付体制を整え、機会損失を防ぎましょう!