Googleアナリティクスを使ったアクセス解析の中級編の5回目は、集客したユーザーがサイト内にどのくらい滞在し、後から再訪問や予約に繋がったどうかを見ていきます。
サイトを訪問したユーザーの動きを俯瞰して見ることで、より様々なことが分かってきますよ。もし初級編がまだの方は、是非そちらから見てくださいくださいね。
Googleアナリティクス初級編Part2 サイト訪問者の分析はこちら
サイト内行動を全体から俯瞰する
Part4ではサイト内の回遊や閲覧ルートの分析を行いましたが、今回はサイト内の滞在が全体としてどうなっているかを見て、お客様がどのくらい深く検討しくれているかを推測します。
サイト内の滞在時間の持つ意味
サイト内の滞在時間は、お客様がどのくらい深く商品やサービスを検討してくれている目安として使うことができます。
パッと見て閲覧をやめてしまったら、それはあまり興味を持ってもらえなかったといえますよね。逆に様々なページを時間をかけてじっくり見てくれたら、隅々まで目を通して考えてくれていると推測できます。
このサイトの滞在時間を使うことで、予約に至ったユーザーの流れと思考を掴むことができますよ。
詳しい滞在時間はこちらで紹介していますので、見てみてください。
サイトへの再訪問の持つ意味
お客様がサイトをじっくり見て検討してくれたとしても、その時にすぐに予約をしてくれるわけではありません。どうしようか悩んだり、他と比較した結果、改めて予約をしてくれることが多くなる傾向にあります。
この時に見たいのが、サイトへの再訪問がどうなってるか。どのくらいの割合のユーザーが、どの感覚で来てくれてるのか見ることで、予約までの検討時間や過程を推測することができますよ。
回遊率や閲覧ルートと合わせて見る
滞在時間や再訪問を見る上で欠かせないのが、Part4でご紹介したサイト内の回遊率と閲覧ルートと合わせて見て考えることです。
Googleアナリティクス 中級編 Part4(サイト内行動:回遊率・ページ閲覧ルート)はこちら
片方の指標だけでは見えてこないものが、より鮮明に浮かび上がってきます。こちらの記事では、回遊率とサイト滞在時間の関係を整理していますので、気になる方は見てくださいね。
サイト内の滞在時間を分析
サイト内の滞在時間を分析するには、1回の訪問あたりの合計時間と、各ページ別の滞在時間に分けて見ていくのが大切になります。
1訪問あたりの滞在時間
1回の訪問でユーザーが合計どのくらいサイトに滞在したのか見ていきましょう。この指標は回遊率や閲覧ルートと合わせることで、様々な考察を得ることができます。
トラフィック獲得から確認
1回あたりの訪問を見たいため、集客メニューにあるセッションの獲得に行きましょう。
セッションあたりの時間を見る
表に表示される「セッションあたりの平均エンゲージメント」時間を見ることで、1回の訪問あたりの滞在時間を見ることができますよ。
経路別に差が出る?
トラフィックを見ると、各参照元/メディアが表示されるため、経路別に滞在時間を見ることができます。例えばオーガニックだと短いけど、リファーラルだと長いなど差分が出てきます。
こういった差が出た時は、経路別にどんなページが見られてるかの分析ができますので、詳しくは上級編でご紹介します。
各ページごとの滞在時間
1回の訪問の合計時間が見れた後は、それを分解した各ページ別の滞在時間を見てみましょう。
各ページの滞在時間の合計≒サイトの滞在時間と捉えて問題ありません。なおGAの性質上、最後に見たページの滞在時間はカウントされませんので注意しましょう。
エンゲージメントから確認
ページ別にデータを見たいので、エンゲージメントメニューから「ページとスクリーン」を選択しましょう。
ページあたりの滞在時間を見る
表に表示される「平均エンゲージメント時間」を見ることで、ページあたりの滞在時間を見ることができますよ。
ページの特性を考慮する
ページごとの時間を見ると、様々なものが混じっている事がわかります。これらを1つでまとめて評価すると誤解が生まれてしまうため、それぞれの特性に分けて見ていきましょう。
トップページ
サイトのトップページは主に他のページへ誘導するナビゲーションメインのため、比較的滞在時間が短くなる傾向があります。
逆にトップページが1~2分などの長い時間になっている場合は注意が必要です。次にどこを見て良いか分からなくなっているか、トップページ自体に情報が詰まりすぎていて、商品ページに誘導出来ていません。
トップページは、なるべく詳細な情報が載っているページ(特集や商品詳細、キャペーンなど)へ誘導するための機能として使うのがおすすめです。
商品ページ
商品ページは、様々な情報が載っており、検討するために細かい部分まで確認されることが多いため、それに伴って滞在時間も比較的長くなる傾向にあります。
もし商品ページの滞在時間が短くなっている場合は注意が必要です。ページ自体が見づらく目的の情報が探しづらかったり、本当は見たい情報が載っておらずに、そこで離脱してる可能性あります。
もし商品ページの滞在時間が短く、商品に関するお問い合わせが多ければ、大幅な見直しを考えましょう。
お問い合わせは、お客様にとって追加の行動を伴うものなので、諦めて離脱してしまう方も多くいるのが現実です。無駄なお問い合わせがなくなるように、情報を充実させることを意識しましょう。
予約ページ
予約ページは、予約ステップの多さや入力する情報の過多で大きく変化します。そのため一概に滞在時間の傾向を見ることはできませんが、この申込みの時間が長すぎる場合は注意しましょう。
あまりにも多くの情報の入力が必要になっていると、途中で諦めて離脱してしまうのです。参加に本当に必要な必須情報と、できれば答えて欲しい任意情報に分けて表示するのがおすすめです。
サイトへの再訪問を分析
上記でご紹介した通り、各ページを深く検討してもらったとしても、その場での予約に通ながるケースは多くありません。
多くのユーザーは、2〜3回以上見て初めて予約を行うことが多いのです。そのため、ユーザーがサイトへ再訪問してくれているかを1つの目安にすることができます。
リピーターの割合を見る
まずはサイトの訪問者のうち、どのくらいの割合がリピーターになっているかみましょう。
維持率から確認
維持率メニューから概要をクリックしましょう。
リピーターのタブを確認
リピーターのタブをクリックすることで、日別のリピート訪問ユーザー数がわかります。
関連指標が見れる
リピーターのタブの下に行くことで、初回訪問を0日として何日後に再度アクセスがあたかを見る「維持率」と、訪問ごとの滞在時間が見れる「ユーザーエンゲージメント」を見ることができます。
ここでは、選択した期間中のユーザーの全体的な再訪問の傾向が見れますので、どの程度見てくれて検討してくれているか、画面上だけで簡単に見ることができますよ。
どのくらいの周期で再訪問しているか見る
先程の指標は全体的なものだったため、実際にどのくらいの周期で、どれだけのユーザーが再訪してくれた数値を見ることができません。こんな時は、分析ハブのコホート分析を使いましょう。
分析ハブでコホート分析を選択
分析メニューのテンプレートギャラリーにいくと、一覧でテンプレートが表示されます。この中からコホート分析を選びましょう。
期間別に再訪問の割合と数値が見れる
コホート画面が表示されると、各週別の訪問ユーザー数と、その再訪問の割合を見ることができます。週0を基準として、翌週以降にどのくらいリピート訪問をしているかを、時系列で見ることができます。
見たい粒度は変えられる
コホート分析では標準が週単位のリピーター表示になっていますが、これを日ベースや月ベースの表示に切り替えができます。画面の左側にある「コホートの粒度」から好きなものへ変更しましょう。
日ベースで見ると、どのくらいの頻度で再訪問してくれているか、よりはっきりと分かりあすよ。
予約者の傾向を見る
上記のコホート分析を、セグメントを絞ることで「予約者」に限ってみることができます。この予約者に絞ってみることで、具体的に予約まで繋がった行動を見ることができるので、とってもおすすめです。
是非通常の再訪問と、予約に繋がったユーザーの再訪問の違いを比べてみましょう!
セグメントを作る
コホートの画面左側にある、セグメント作成を行いましょう。
セグメント作成画面が表示されるので、「ユーザーセグメント」を利用します。
イベントを指定する
セグメントの画面ではイベントの設定が必要のため、「イベント」から予約完了を示す「purchase」を選びましょう。
Nutmegの予約サイトを使っていれば、標準でイベントに表示されていますよ。もし表示がない方は、自分でイベントの定義設定が必要です。
選択することで対象のユーザー数が右側に表示されるので、問題なければ左上に後から分かるように名前をつけましょう。最後に右上の保存して適用をすることで完了です。
作ったセグメントを選ぶ
セグメントの作成が完了すると、自動的に予約完了が選ばれたコホートが表示されます。全体的なリピーターと比較することで、違いがわかりますね。
このセグメントは他の分析でも使えるので、是非使い方を覚えてください。更に詳しいつか方は、別途Part6の予約者分析編でご紹介予定です。
まとめ
サイト内の行動を俯瞰的に見れる滞在時間と再訪問者の分析はとても有用です。お客様にしっかりと内容を検討してもらい、予約まで繋がる要点がどこにのかを理解することで、改善への対策に繋げられますよ。
また、サイト内の回遊やページ閲覧ルートと合わせて見ることで、より鮮明にユーザー行動が浮かび上がってきます。これらを総合して、どのように見てもらうのが一番予約率が高くなるかを見極めて、サイト運営の改善に役立てましょう!
Nutmegなら本来は大変なコンバージョンの設定などが最初から入っているので、効果的なGA4の分析ハブが簡単に使えるのが大きな特徴です。予約サイトがなかなか分析できないという方がいたら、是非Nutmegの導入をご検討ください。