今回からGoogleアナリティクスを使ったアクセス解析の中級編をご紹介していきます。今までは全体の数値を見ることが多かったですが、ここからはより実践的な使い方を解説していきますよ。
まずは集客をより詳しく深掘って分析する「集客経路」の分析からスタート。もし初級編がまだの方は、是非そちらから見てくださいくださいね。
Googleアナリティクス初級編Part1 サイト訪問者の分析はこちら
集客経路の分析をしよう
サイト訪問者の分析で、流入経路の分析を簡単にご紹介しましたが、今回はこの経路別の集客をしっかり分析します。というのも、ここから抽出する課題や行う対策は、実際には経路別に大きく異るからです。
経路別の分析が大事
各経路別に集客数を見ることができますが、それぞれの経路で追加的な分析を行うことで、なぜ集客できていないのか、どこに課題があるのか、どういう改善をすべきかという点をしっかり見ることができます。
逆に経路別に分析をしないと、集客の対策が始まりません。今後は集客は経路別に見ていくと「習慣」にして考えていきましょう。
集客の対応方法が異なる
集客別に分析する理由は他にもあります。最終的に改善の施策を打つ際には、経路別に対応方法が全く異なってくるからです。
詳しくは各記事で説明しますが、経路別の主な対策は以下の通りです。
- オーガニック:SEO対策、使うキーワードの調整、リスティングの検討など
- リファーラル:SNSの拡散を拡大、サイトへの誘導を強化、アフィリエイトの検討など
- 直接訪問:ブックマークの誘導、リターゲティング、メールマーケティングなど
見たとおり対策内容が違いますので、それぞれを分けて考えることが大切です。
伸ばせる余地を探そう
経路別の集客のポイントは、ずばり「集客を伸ばせる余地」を探すことになります。関連する追加の分析を行うことで、何かしら対策をすることで効果を得られる分野を探しましょう。
ここで重要なのは、実際にサイトへ訪問しなかったけど、来てくれる可能性がある母集団がどのくらいいそうかを把握することです。
用語としては各媒体によって若干異なりますが、以下のような意味を持ちます。
- インプレッション:ユーザーの画面に少しでも表示されたことを意味(見られたかどうかは別)
- リーチ::実際にユーザーの画面表示され、視界に入ったことを意味(見られた)
- CTR:Click Through Rate = クリック率を意味。表示された中で何%ぐらいがクリックしたかを表す。
是非この用語を覚えて使うこなせるようになりましょう。
オーガニックの分析と対策
この記事では、検索エンジン経由である「オーガニック」の分析に焦点を当てます。
オーガニックの意味合い
現地体験事業者の方々にとっては、このオーガニック経由の集客を増やすことで、より予約に繋がりやすいユーザーを獲得することが出来ます。
検索して来てくれる = ニーズがある程度は顕在化しているので、検索エンジン経由の集客ができると中長期的に売上増加に繋がるからです。
分析の方向性
オーガニックを分析する上では、検索エンジンごとの内訳を見ながらも、実際にどの程度オーガニック経由のサイト訪問を上げられるか可能性を探るのがメインになってきます。
逆にこの余地が少ないのであれば、早々にオーガニック対策を切り上げて、別の可能性を模索するのがおすすめです。
例えば、インプレッションやリーチが多いSNS経由の集客にシフトしたり、よくリンクを張ってくれるリファーラルのサイトを増やしたりなど、違う経路からの集客改善を考えましょう。
対策の方向性
オーガニックを分析した後に行う対策は、大きく分けて3つに分かれます。この対策に役立てるように意識して分析を行うのがとっても効果的ですよ。
- SEO対策(主に技術的な側面)
- 使うキーワードの調整
- リスティング等の検討
Nutmegを使ってる事業者の皆さんは、実際にできることは使うキーワードの調整がメインになってきますので、そちらは各ページごとの最適化を見てください。
見るべきポイント
オーガニックの数値を分析する上で、必要なポイントはどういったことなのでしょうか?
全体としてどうなのかという観点も必要ですが、中身を見ることで対策すべき参照元をしっかり特定して対策を考えることが大事になってきますよ。
検索エンジンの比率
オーガニックといっても、様々な検索エンジンが混じっていますよね。中を分けて見ることで、どういった検索エンジンからよく来ているか分析して傾向を掴みましょう。
一般的な検索エンジンの利用ユーザーは以下のように考えられています。
- Google:若年層が比較的多く、男性が多め。またネット利用率が高い傾向
- Yahoo:高年層が比較的多く、女性が多め。Yahooの関連サービスを利用していることが多い
実際にはGoogleアナリティクスが提供する推測されたユーザーの属性を見たほうが良いのですが、Googleが多いのか、Yahooが多いのかといった情報はとても有用です。
どのくらい数が来ているか
各検索エンジンの比率が分かったところで、実際にどのくらいの訪問者が来ているかの実数を見てきましょう。この後使うサーチコンソールと合わせて分析するのにも使えるからです。
数値の見方ですが、「集客」から「トラフィック獲得」を選択し、検索マークの部分に「organic」と入れることで、オーガニックのみ絞り込んで見ることができます。
検索エンジン別に違いがあるかどうか
訪問数だけではなく、実際にサイト内の行動も一緒に見れるため、何か違いがあるか見ておくことも大事になります。主に見ておきたい指標は以下の通りです。
- セッションあたりの平均時間
- セッションあたりのイベント数
- コンバージョン数
具体的な分析は別記事のサイト内行動の分析で触れていきますが、もしこれらの数値が大きくことなる場合は、より数値が高いほうの理由を深堀りしましょう。
つまり、高い方でのユーザー属性や動きを分析することで、より多くのユーザーにリーチするほうが大事になるからです。この後解説するインプレッションやCTRに関係してきます。
サーチコンソールを活用
各検索エンジンでのポイントが分かったところで、具体的に集客を増加できそうな可能性を探していきましょう。ここではGoogleのサーチコンソールを例にとってご紹介します。
インプレッション・CTRの確認
検索エンジンからの流入数が分かったと思いますが、実際はどのくらいの人が見てくれて、そのうちの何人がサイトへ訪問(クリック)してくれたのでしょうか。
もし10人中8~9人がクリックしていれば、あまり集客拡大の余地がありません。逆に10人中1人しかクリックしていなければ、クリック率を上げることで、集客数を上げる余地が大きくありますよね。
これをGoogleのサーチコンソールを使うことで、推計されたデータを見て判断することができるのです。サーチコンソールにログインして「検索パフォーマンス」を見ると、このようにどのくらい表示されて、どのくらいクリックされたかを見ることができるのです。
例えばこの例だと、実際のクリック数が24回に対して、実は1,890回も表示されていることが分かります。もしクリック率(CTR)が上がれば、より多くのユーザーを獲得することができますよね。
このインプレッションやクリック数は、日別に見ることもできます。結果から「日付」タブを押してみてください。
検索されているキーワード・表示ページを見る
インプレッション数やCTRが分かった後は、実際に検索されているキーワードや表示ページを見ましょう。
このキーワードを見ることで、どういうワードでインプレッションされているのか理解できます。また、表示ページを見ることで、どこが集客の入り口になれるのか考えることができます。
検索されているキーワード
検索パフォーマンスの「クエリ」タブを押すことで、どういったワードでインプレッションされているか表示されます。
ここで気をつけたいのは、SEO対策で狙ったワードなどでたくさんインプレッションされているかです。本来は取りたいキーワードで表示されていないと、効果が薄くなってしまいますよね。
もう1点見たいのは、検索されているキーワードの傾向です。ユーザーが探している文脈が分かれば、キーワードの調整にも使うことができますよ。
表示されているページ
続いて各キーワードで表示されているページが、どういったものになるのかも見ましょう。
「ページ」タブを押すことで、ページ別のインプレッションやクリック数を見ることができますよ。
ポイントは、実際の見始められたページと、表示されているページの関係性です。表示は各商品ページが多いのに、実際はサイトトップから見始めたユーザーが多い場合は、商品ページ自体がクリックしてもらえるような魅力的なコンテンツになっていない可能性があります。
インプレッションが少ない場合
ではまったくページが表示されておらず、インプレッション自体が少ない場合はどうすれば良いでしょうか?可能性としてはいくつかあり、それぞれ対策が異なってきます。
そもそも狙っているキーワードの検索母数が少ない
実際にユーザーが検索するキーワード自体の検索数が少ないと、このインプレッションが上がっていきません。では狙っているキーワードの検索数がどうなっているかは、どのように調べれば良いでしょうか?
Googleが別途提供しているキーワードプランナーというツールがありますので、そちらの利用がおすすめです。詳しい使い方は違う記事で紹介しますので、楽しみにしてください。
もし狙っているキーワードの母数が低い場合は、狙うキーワードを変えるかなどの複雑な対応を検討しなければなりません。このあたりはより専門的な知識も必要になってきますので、よほどボリュームが少ないケースを除いては以下の対策に移りましょう。
ページが上位表示されていない
もう1つの可能性は、ページ自体が上位に表示されていないため、そもそもインプレッションの対象になっていないことです。検索結果も2ページ目、3ページ目といくごとにユーザーに表示されるチャンスが少なくなります。
表示回数は、WebサイトへのリンクがGoogle検索結果に表示された回数を指します。リンクがユーザーの目に触れたかどうかにかかわらず、当該リンクが掲載された検索結果ページがユーザーに表示された時点でカウントされます。
• 検索結果の2ページ目以降に表示されている場合ユーザーがページネーションでページをめくって掲載ページを表示しない限り、表示回数はカウントされません。
ページを開きさえすれば、ユーザーがスクロールしなかったとしても表示回数にカウントされます。
引用元:サーチコンソールの表示回数とは?カウント方法の考え方と注意点
この点は、SEOのランキングを見ることで、インプレッションとの関係性を見ることができますよ。詳細は次章で詳しく説明します。
SEOのランキングを追跡しよう
ページを上位表示させて多くのインプッションを獲得するには、SEO対策が有効ですよね。もちろんSEOの対策は必須なのですが、皆さんSEOのランキングはしっかり追跡できいてますか?
意外とこのランキングを確認していないケースが多く、インプレッションとの関係性を見ていないことが多いのです。上位表示させるためにも定期的に確認をおすすめします。
ランキングとインプレッションの関係性
SEOのランキングを定期的に見ることで、インプレッションとの関係を測ることができます。インプレッションを伸ばそうとすれば、狙ったキーワードで上位表示させることが大事になりますので、SEOの順位を参考指標としてインプレッション数を追っていきましょう。
もし狙ったワードでSEOが上位表示されているにも関わらず、インプレッション自体が少ない場合は、ユーザーの検索ボリュームが少ないと考えられます。この点で先程のサーチコンソールを使わなくても、ある程度推測ができてしまうのです。
ツールを使って可視化
SEOの順位を追跡するためには、様々なキーワードで何位になっているかモニタリングる必要がありますよね。でも1回1回自分で検索して対応するのはとても大変です。
こんな時は、SEO向けの各種ツールを使うことで、簡単に確認ができますよ。ここでは主に無料で使えるものを中心にご紹介します。
おすすめのSEO順位確認ツール
各種の無料確認ツールが揃っていますが、筆者のおすすめは「Rank Tracker」です。無料版でもある程度順位確認に使えるため、他のツールと比べてもより手間なく順位確認が行えるようになっていますよ。※余裕のある方は有料版もおすすめです、過去の履歴や前回との比較がよりしやすくなっています。金額もそこまで高くないため、手間を優先して有料版を使われる方が多くいます。
他にもサイト上でいくつか順位確認ができるツールもご紹介しておきます。ただ1回あたり3~5つぐらいのキーワードしか順位が取れないため、多くのキーワードをモニタリングするのには向きません。
キーワードの生成ツール
順位に加えて、モニタリングしたいキーワードを作る作業も大変です。こんな時はキーワード生成ツールを使って一気に作ってしまいましょう。
SEO Cafeが提供されている便利なサイトがありますので、こちらがおすすめです。このようにキーワードを入れるだけで、組み合わせを簡単に作ってくれるのです。
他にもキーワード生成ツールはありますので、自分に合ったものを見つけてください。
確認は週1程度で大丈夫
SEOの順位確認の準備が整ったところで、どのくらいの頻度で確認すれば良いのでしょうか?毎日確認しないと行けないと思われるかもしれませんが、順位自体は毎日そこまで大きく変動しません。
したがって、多くても週1回確認すれば大丈夫です。先程ご紹介したRank Trackerでは、週1で自動でランキングを確認してくれるスケジュール機能があるため、自動で確認することもできますよ。
まとめ
中級編の初回となる、集客経路分析のオーガニックはいかがでしたでしょうか?ポイントは、アクセス解析で見てる数値の裏に隠れている背景や可能性をしっかり確認することにあります。
どのくらいインプレッションがあって、CTRはどのくらいなのかなど見ていくことで、オーガニック経由の集客増加がどこまでできるか考えることができます。
実際の対策としては、SEO向けの最適化がメインにはなるのですが、この背景や可能性を考慮しているのとしていないのでは、大きく内容も変わってきてしまうのです。
今後追加する上級編では、より具体的なインプレッションやCTRの増加方法、キーワードの母数の利用方法などを解説していきますよ。