私たちは普段の生活の中で様々なキャンペーンを目にしています。スーパーの特売、携帯電話の家族割など一般化しているものも多くあります。現地体験の予約サイト・商品ページの作り込みは完了していて、さらに予約を増やしたい場合にはキャンペーン実施を検討しましょう。当記事ではキャンペーンのメリットやいくつかの実践テクニック、注意点をご案内します。

キャンペーンを活用して売上アップ

現地体験商品の販売では、最少催行人数・天候・閑散期・提携企業の在庫状況など様々の要素が絡み合い、集客に苦戦することも少なくありません。
キャンペーン(プロモーション)を上手く活用できれば、これら問題に対しての解決策になります。

代表的なキャンペーンである「割引」の場合では、正規料金よりお得になりますので需要があれば注目されやすくなります。注目されれば、その分予約にも繋がりますし、新規のお客様を獲得できる可能性が広がります。さらに、空き状況に余裕がある際に追加で予約が入れば効率的に売上を上げることができます。

旅行の閑散期になると、少人数での予約が中心になりなかなか催行率を高めることができません。このようなシーズンへの対策としてもキャンペーンによる集客は有効です。

開始前

実施前にチェック

キャンペーンによる集客を検討する前に以下のアクションが実施済みか確認しましょう。更に集客するためにキャンペーンを行います。

  • 自社だけの強み(付加価値)を用意する
  • 商品ページの最適化
  • ウェブ広告の検討

何か付加価値と呼べるものがないとせっかくキャンペーンを実施しても”一回限りのお客様”で終わる可能性大。自分たちのサービスのファンになってもらうためには付加価値が決め手になります。
最適化とは例えばタイトルやスケジュール、写真といった商品ページの見た目を整え、魅力をテキスト化し、同時にSEO対策を施すことです。時間さえ取ればすぐに開始できるのが最適化ですので、まずはここから取り組みましょう。最適化に関しては別記事をご参照ください。https://academy.ntmg.jp/sales/
キャンペーンはイニシャルコストはかからないものの、収益は低下しがちです。これもコストの一種と考えるならば、ウェブ広告にコストを回し認知活動を行うことがより効果的かもしれません。ただし、ウェブ広告は専門知識が必要になり、知らずに設定すると多大なコストが発生してしまう可能性もあるので、不安な状態では控えるべきです。

サービス展開している分野での競争率が高いカテゴリ(例えば沖縄でのマリンアクティビティなど)以外では同業者の数は限られています。激しい価格競争が起きていない限りは、上記アクションを始めに行うことがおすすめです。

基本は短期戦

キャンペーンは基本的には短期間のみ行います。長く続ければ続けるほど効果が低くなります。キャンペーンの中でも割引によって得たお客様は優良顧客として定着化しづらいため、一度きりにならないようにリピーター化させるなど次のアクションに繋げましょう!

キャンペーン実施でできる4つのこと

注目を集める

キャンペーンの主な目的は売上を上げること、つまり商品に注目してもらうことにあります。商品内容には自信があるのに商品ページが素通りされてしまっていたり、ページへの訪問はあるのに予約に至らないという際には何らかのキャンペーンを実施して注目を集めることが第一歩になります。効果的なキャンペーンは例えばこのようなものが挙げられます。

  • 割引き(早割り、グループ割引、家族割引、セット割引など)
  • プレゼント
  • 付加価値の追加

需要がある場合に限りますが「割引」は強力な方法です。その理由はとにかく即効性があるということです。短期的な売上が必要であれば最も高い効果が得られるでしょう。割引は最終手段と言われることもありますが、その方法は様々です。例えば、特定の日付に絞った方法では早めにキャンペーンを開始すべきです。

付加価値の追加とは、通常時に提供しているサービスに更に何かを加えること。割引に比べると即効性はありませんが商品価値が上がるため、高い満足度を得られやすく成功すればリピーター化にも繋がります。

新規顧客を獲得する

注目を集めることは新規顧客の獲得にも繋がります。新しいお客様をリピーターに変えることができれば、キャンペーンにかけたコストもすぐに回収できるはず。新規のお客様にいかに楽しんでいただくか、参加後の接点の持ち方、次回参加への繋げ方を考え実行していきます。どれほどの割合でリピーターにできるかの目途が立つとキャンペーンに投入できるコストがより正確に出せるようになります。

繁忙期/閑散期 ごとに対策して売上を最大化

繁忙期や閑散期の売上を最大化させるためにもキャンペーンを活用しましょう。
例えば、2月は大学生の利用が最も高くなる期間です。学生は価格への反応が顕著ですのでグループ割といったキャンペーンを実施すると効果が見られます。
3月になると旅行代金が上がり、学生の代わりに家族や社会人の利用が増えます。催行率を高めるときには家族割などで数を取り、予約単価を高めるときには追加オプションに何らかのキャンペーンを実施したりギフトを付けるなどが考えられます。

6月は閑散期にあたりお客様を集めることが難しくなります。6月に参加するお客様はお一人や少人数が多くなるので、催行日を減らし、代わりにシンプルな割引で1回あたりの人数を増やすといった取り組みで売上最大化を目指します。

上記方法はあくまで例ですが、このようにターゲットとするお客様を想定するとキャンペーンが必要なのか、必要であればどういった方法が良いのかが見えてきます。

お客様の動向を予測する

例えば”早割”は航空券販売で一般的に使われているキャンペーン手法ですね。空いている座席を早めに埋めることができれば営業が安定しますし、お客様の動向をある程度予測することができます。どの期間に需要が高いかが分かると、まずはその周辺を強化することに集中できます。現地体験でも考え方は同じです。2~3か月先の期間を狙ってキャンペーンを早めに展開して、予約やクリックといったお客様の行動に注目すれば販売促進に役立ちますし、スタッフのシフト管理などの効率化にも結び付きます。

キャンペーン 実践テクニック

ここではキャンペーンを利用したテクニックの一部を紹介します。キャンペーンはアイデア次第で様々な問題解決に活用できます。

テクニック1 最少催行人数の問題を解決する

例:4月1日に予約リクエストが1件(1名)あり。最少催行人数は2名以上のため、もう1名以上の予約が必要。

このような場面では、4月1日に限定したキャンペーンを実施しましょう。できるだけ集客を寄せるようにして催行確率を高めることができれば、売上だけでなく既に予約されていたお客様に対してのフォローにもなります。

気を付けたいのは、割引キャンペーンで集客をすると既存予約のお客様との不公平感が出てしまうこと。こういった場合には、プレゼントや付加価値を追加するキャンペーンを行い、既存のお客様にも付与しましょう。

テクニック2 利益率を上げる

例えば”追加オプション”を10%オフにするといったキャンペーンが成功すれば1回あたりの現地体験の利益率を高めます。下にある式は売上の構成要素です。追加オプションが売れると”単価”が上がります。キャンペーンはこれら構成要素の一部分を短期的に強める役割ということになります。

売上 = 予約数 X 参加人数 X 現地体験の単価

テクニック3 キャンペーンの年間スケジュールを立てる

キャンペーン実施はタイミングが重要で、1週間遅れると機会損失になり得ます。先々を見越して早めに出すことが安心ではありますが、複数のキャンペーンが同じ商品ページに並ぶと見づらくなります。また、予定通りにキャンペーンが効果を発揮しなかった場合も想定して、代わりのプランも立てておくと打ち手の切り替えが素早く行えます。

観光ツアーの年間スケジュール例

キャンペーン実施の注意点

不公平感を生まないようにする

キャンペーンを開始する際には既存のお客様の有無を確認しましょう。早期に予約をしてくれたお客様は優良顧客になり得ます。そういったお客様よりも後に予約したお客様が得をするということは避けなくてはなりません。

景品表示法

各種キャンペーンを展開する際には景品表示法にご注意ください。
正式名称を不当景品類及び不当表示防止法といい、一般消費者の利益保護を目的とした法律です。我々は皆が消費者の立場にもなり得ますし、国民の大切な資産を守るためにはとても大切な法律です。
キャンペーンを実施する際には、お客様へ誤解を与えるような表記にしていないか確認をしましょう。できれば、自分の家族や友人といったスタッフではない誰かに見てもらうのが良いと思います。

例として、ほぼ毎日同じ割引キャンペーンを実施しているのにも関わらず「今月の目玉キャンペーン」というように表示するのは景品表示法に抵触する恐れがあります。判断が難しい場合には専門家に相談を行い、クリーンなホームページ運営を目指しましょう。  

まとめ

ここでは予約サイトにおけるキャンペーンを実施するメリット、いくつかの実践テクニックと注意点についてご案内しました。キャンペーンはメリハリをつけ、旅行シーズンや誰に対して行うのかを考えて設定することが大切です。キャンペーン終了後には効果を測定し、次に役立てると今後の成功率を高めることができます。

各キャンペーン別の効果的な使い方の記事を今後追加していく予定ですのでまたご覧ください。