Googleアナリティクスを使ったアクセス解析の中級編の2回目は、SNSや他のサイトから紹介されて入ってきたリファーラルの分析です。

近年ではSNSの活用や、いかにSNSから集客できるかが大きなポイントになっていますよね。この記事ではどのように分析して対応すべきかご紹介します。

もし初級編がまだの方は、是非そちらから見てくださいくださいね。

Googleアナリティクス初級編Part1 サイト訪問者の分析はこちら

リファーラルの分析

Googleアナリティクス上で表示されるリファーラルですが、まずはその意味合いを確認した上で、どういった分析をすべきか、どういった対策をするのか見ていきましょう。

なおGA上は、「トラフィック獲得」から、検索部分に「referral」と入れることで絞って表示が可能です。

リファーラルの意味合い

リファーラルというのは、日本語でいうところを「紹介」にあたります。つまり、他のサイトやメディアから紹介された入ってきたと考えてください。

逆にいうと、検索エンジンを表すオーガニックや、直接サイト訪問をしたDirect、広告を使った際のpaid、特定ができなかった場合のnoneなど以外は、ほぼすべてリファーラルになると言っても過言ではないのです。

分析の方向性

上記の通り広い意味でリファーラルが使われているため、分析を行う際には各メディアの特定に合わせて分解するのがとても大事になります。

例えば同じリファーラルでも、SNSと個人ブログからの流入ではお客様の性質も大きく異なりますよね。

この記事では、影響が大きく対策が行いやすい「SNS」と、それ以外として「他のサイト」からの紹介に分けて説明していきます。

対策の方向性

リファーラルを分解して分析することが分かったと思いますが、もちろん対応する策も分解したものに合わせて考えるべきですよね。

ただ両方に共通して言えることは、リファーラル経由のサイト訪問者がどのくらい上げられるかという「ポテンシャル」を測ることです。

オーガニックの「インプレッション」の似たような概念と捉えればOK。潜在的にどのくらいサイト訪問まで繋げそうかをしっかり見極めましょう。

SNSの流入を深堀り

今の時代は、検索エンジンすら使わない層が増え、SNSだけで完結する世代がどんどん増えています。つまり、検索エンジンだけの対策だけでは不十分なのです。

今後の集客の主流となりえるSNSの深堀りをしっかりと行い、サイト訪問に繋げられるようにしましょう。

考え方と見るべきポイント

SNSからの流入を深堀る時に考えるポイントは大きく2つあります。

1つ目は、実際に使っているSNSや投稿した内容が、どのくらいサイト訪問に繋げられるかという「ポテンシャル評価です。

SNS上のプロフィールや投稿内容自体がそもそも見られていないと、サイト訪問者への増加に繋がらなくなってしまいますよね。

2つ目は、ポテンシャルの中からどのくらいユーザーをサイト訪問に繋げられているかです。SNS側から見た数値(エンゲージメント)と、実際サイトに繋がっている数値(CTR)で若干意味合いがことなるため注意してください。

まとめると、ポテンシャルの中からどのくらいサイト訪問に繋げられたかが大事になります。

どのくらい見られているか

SNSからのサイト訪問のポテンシャル評価として、自分たちのSNSがどのくらい見られているかを知りましょう。

フォロワーやいいねは参考指標?

SNSの運用と聞くと、ついフォロワーをどのくらい獲得できるか、いいねやリツイートなどがどのくらいされるかに目が行きがちです。

もちろんフォロワーやいいねは大事な指標ではあるものの、最終的にどのくらい見られているかを示すのは、別の指標を使って定量的に評価することがより効果的になるのです。

結果として、フォロワーやいいねが増えると以下の2つの指標に影響がありますので、フォロワーやいいねは「拡散狙い」という意味での評価に留めるのがおすすめです。

インプレッション

まず見たいのが、オーガニックと似ている「インプレッション」です。投稿した内容がどのくらいの回数でユーザーの画面に表示されたか意味します。

注意点としては、「表示回数」のため、1人のユーザーが3回見るとインプレションは3となることです。インプレションだけではなく、下記で紹介するリーチも一緒に見てくださいね。

例えばツイッターであれば、ツイッター画面の「アナリティクス」から「ツイート」タブを選ぶと、時系列でこのインプレッションを見ることができますよ。なお、各SNSの分析は上級編で別途ご紹介予定です。

Twitterアナリティクスの画面

このインプレッションが増えれば増えるほど、実際にユーザーが目にしてくれる機会が増えますので、サイト訪問に繋がるポテンシャルが高くなるといえますよね。

逆にインプレッション自体が不十分な場合は、もっと色々なユーザーに見てもらうための対策や努力が必要です。投稿内容の見直しや、使っているタグなど抜本的に見直しを考えましょう。

リーチ

インプレッションと似たような概念で、「リーチ」というのがあります。このリーチは、実際に見たユーザ数として数値が出るため、インプレッションに比べるとユニークユーザー(UU)として捉えることができますよ。

例えばFacebookやインスタであれば、Facebook画面の「インサイト」から「リーチ」メニュー、もしくは「利用者」メニューの中にある「リーチした人」を選ぶと見れます。數だけではなく、補足的な情報が見れるのも特徴ですね。

Facebookのインサイトページにある「利用者」の「リーチした人」

インプレッションと同じように、リーチが増えれば増えるほど、実際に見てくれたユーザー数が増えますので、サイト訪問に繋がるポテンシャルが高くなるといえます。

また、インプレッションと同じように、リーチ自体が不十分な場合は、もっと多くのユーザーに見てもらうための対策や努力が必要です。投稿内容の見直しや、使っているタグなど抜本的に見直しを考えましょう。

どのくらい訪問に繋げられているか

どのくらい見られているかが分かったところで、そのうち何人のユーザーがサイト訪問まで繋がっているのでしょうか?

どれだけインプレッションやリーチが増やせても、最終的に予約サイトまでたどり着いてもらわないと予約に繋がりません
※注:大手のようにブランディング目的でやっている場合は別です

見るべきポイントや考え方を確認していきましょう。

SNSだけで完結している?

とても面白くて魅力的なSNSを展開をされ、多くのインプレッションやリーチを獲得できたとしましょう。これはSNSとしての運用は大成功と言え、広告などの収益が期待できるかもしれません。

ただ、現地体験事業者が行う運用としては片手落ち状態と言えます。なぜなら、サイトへ誘導し、予約をしてもらって初めて集客や売上に繋げることができるからです。

SNSを盛り上げることはとっても大事なのですが、そこで完結してしまっては意味がありませんよね。しっかりサイトへ誘導することで、予約に繋げることができます。

エンゲージメント

SNSの投稿やプロフィールに対して、ユーザーが何かしらのアクションをしたことを「エンゲージメンド」といいます。このエンゲージメントの意味は広く、以下のすべてを含んでいます。

  • フォロー
  • いいねを押す
  • リツイートや共有をする
  • 返信をする
  • 表示されているリンクをクリックする
ツイッターのエンゲージメント

SNSの運用という意味では、このエンゲージメンドがどのくらいあったかを指標にできるのですが、今回見たいのは「サイト訪問へどのくらい繋げられたか」です。つまりこのエンゲージメントの中でも、「リンクのクリック率」を重視して見るのがおすすめ

もし高いエンゲージメントがあっても、サイトへのリンクが含まれてなく、クリックしてもらえないと意味がなくなってしまいますよね。

まずは必要な箇所(プロフィールや投稿内容)にリンクを含めるところから始め、そのリンクがどのくらいクリックされたのか、上手くいった要因は何か、ダメだった理由は何かなどを考えていきましょう。

CTR

サイトへのクリック数が見れたところで、次に使いたいのがCTRです。インプレッションやリーチに対して、どのくらいの割合のユーザーがクリックしてくれたかを見る指標になります。

考え方としてはオーガニックのCTRと同じでOKですが、SNSとしては各投稿ごとのCTRを見るのがより効果的です。

例えばFacebookでは、各投稿ページごとにリーチした人や投稿のクリックが簡単に見れます。この場合は「10クリック÷87ユーザー=CTR11.5%」と計算できますよ。

Facebookの投稿ツールから投稿の詳細を見ると表示

またツイッターでも、各ツイートごとに確認が可能です。

ツイッターアナリティクスから、ツイートタブの各投稿をクリック

SNSのまとめ

SNSの深堀りを解説してきましたが、改めて分析と対応策を整理してみましょう。

STEP1:ポテンシャルを測る

SNSの投稿がどのくらいのユーザーに見られているかを確認。一定程度のインプレッションやリーチがあるなら、次のSTEP2へ進んでサイトへの訪問誘導を確認しましょう。

もしインプレッションやリーチ自体が少ない場合は、この数値を上げるようにSNSの運用を行う工夫が必要です。

STEP2:どのくらいサイト訪問に繋げられているか

インプレッションやリーチがある程度あった場合は、どのくらいサイト訪問に繋げられているかCTRを確認しましょう。もし今までにサイトへの誘導リンクを貼っていなければ、投稿内に自然にリンクを貼るところから挑戦しましょう。

リンクを貼って運用が出来てきたら、できれば個別の投稿ごとにCTRを確認して分析しましょう。特にCTRが高かった投稿を詳細に分析することで、サイトへの誘導方法やユーザーが求めているものを特定することができます。

STEP3:サイト側の動きも確認

無事にサイトへ誘導できたら、その後の行動はGoogleアナリティクスで分析していきましょう。流入元をSNSに指定した上で、各種分析が行えますよ。詳細は今後の中級編の記事でご紹介していきます。

その他サイトからの分析と対策

SNS以外のリファーラルでは、その数に応じて分析を行うか対策を行うかを検討しましょう。というのも、SNS以外のリファーラルは分散しやすく、1つ1つに対する対応が大変かつ、その費用対効果があまり高くありません

以下は余裕があるとき、特定のサイトからの流入が大きい場合などの時に検討してみてくださいね。

よく来てくれる参照元

SNSのリファーラル以外で、もし特定のサイトからの流入数が多い場合は、分析を始めるのがおすすめです。

SNS以外のリファーラルの確認

目安は全体訪問の5%あるか

特定のサイトからの流入が、全体訪問の5%を超える場合はより詳細な分析を始めるのがおすすめ。逆に5%未満の場合は、余裕がある場合だけの対応で大丈夫です。
※リファーラルの合計ではなく、その他の流入を含むすべての訪問で計算しましょう。

これは、分析や対応の工数を考えての費用対効果を考えた数値ですので、あくまで参考にしてください。目安を上げても下げても大丈夫ですが、どちらにしてもオーガニックやSNSに比較すると、効果や工数は落ちてしまいます

流入元のページを特定

特定のサイトから5%を超える流入がある場合は、紹介本サイトのどのページから具体的に来てくれているのか確認したいですよね。

理想はサイト管理者にお問い合わせして回答を待つことですが、自分自身で検索エンジンから特定することもできます。例えば「特定サイト名+自社のURL」で探すと出てくる場合がありますよ。

この流入元をページを確認することで、どんな文脈で紹介をしてくれているのか、どんな紹介方法で案内してくれているのかなど、非常に参考になることがあります。

見られているページを確認

流入元のページが分かったら、次はその先にどのページが見られているかを確認しましょう。

GA上では、「エンゲージメント」の「ページとスクリーン」メニューにいき、表の中で「+」を押してセカンドディメンションを足します。「セッション参照元/メディア」を選択したら、検索バーに特定サイト名を入れことで絞って表示できます。

GA上で絞って表示

セカンドディメンションは最初は難しいかもしれませんが、慣れればとても便利な方法です。詳しい使い方は別の記事でご紹介します。

この時にどういったページが見られているのかの傾向を把握しましょう。単純にトップページにリンクが貼ってあるだけなのか、具体的な商品ページにリンクが貼ってあるのかで意味合いが違いますよね。

アフィリエイトなどを打診

特定サイトからの流入元のページや、サイト上のページを分析した結果、予約に繋がる可能性が見えた場合はアフィリエイトの打診をするのがおすすめです。

アフィリエイトとは?

アフィリエイトは単なる紹介だけに留めず、報酬を払うことでよりアピールや予約獲得に繋げる販路の拡大手段です。

第三者のブロガーやメディアに商品の宣伝や販促をしてもらい、実際に販売につながった場合に、そのきっかけとなった紹介に対して報酬(コミッション)を支払う仕組み。

参照元:impress business media アフィリエイト とは 意味/解説/説明 【affiliate】

詳しくは販路拡大の記事で紹介していきますが、強いパートナーができれば、売上の5%~10%がアフィリエイト経由で狙えるとっても強力な仕組みなのです。

商品ページが見られているか

特定のサイトから入ったユーザーが、結果的に商品のページを見ている時は大きなチャンス。商品に興味を持って見てくれているということは、紹介元のサイトとの相性も良く、商品の具体的なことを紹介してくれてユーザーの関心を高めている可能性があります。

逆にトップページだけや、会社案内だけ見ている時は要注意。単純に見てくれているだけで、サービスの詳細まではたどり着けていません。

もし商品ページが多く見られているのであれば、特定のサイト向けのアフィリエイト予約ページの提供や、先方のサイト上で予約が完結できる仕組みがあれば、具体的にアフィリエイトの打診が可能になります。

アフィリエイト機能

Nutmegでは簡単にアフィリエイトができるように、専用の機能をご提供しています。特定サイト向けの専用予約サイトの提供から、先方のサイト上に直接貼れるカレンダー型WEB予約までカバー。

しかも予約が入った時のアフィリエイト元の特定や、実績の集計も自動化されています。

詳しくはこちらからから確認してくださいね。

https://ntmg.jp/functions/single-function-affiliate.html

まとめ

リファーラルのメインとなるSNSやそれ以外のサイトの分析や対策はご理解いただたでしょうか?

SNSが主流の時代は、まずはここに注力するのがおすすめです。オーガニックの対策と比べても、個人単位で空いた時間にできるので、比較的に気軽に始められますよ。

NutmegならSNSの投稿が簡単にできる仕組みや、予約サイトへの誘導が簡単にできる機能も取り揃えていますので、詳しくは別の記事でご紹介予定です。

また、SNSに加えて時間の余裕が出来たら、他のサイトからの流入も分析や対応をしていましょう。しっかりとアフィリエイトに取り組んでいけば、より多くの予約を獲得するのも夢ではありません。

もちろんアフィリエイトも、Nutmegではしっかりとサポートしています。

今後追加する上級編では、より具体的なSNSとサイトの連携方法や、アフィリエイトの活用方法をご紹介していきますので、楽しみにしてください。