若者を中心に「映える」写真がここ数年の間、話題になっています。ツアー・アクティビティといった現地体験では、企画力やそこでしかできないユニークな体験こそが本質的に重要なことは間違いありません。しかし、どのような美味しいレストランの料理でも写真の見せ方一つで売上結果は大きく変わるものです。

練りに練った現地体験の企画に注目してもらえる、素敵な写真の撮り方をご紹介します。

写真の重要性

10代~20代の若者を中心に、今では中高年にまでインスタグラムやTwitterなどのSNSが一般化しました。これらSNSは文章以上に写真や動画が物を言うメディアです。大学生のインターン生に対して、WEB検索はどのようにしているのかと質問したところ「SNSでまず調べる」という回答があったときには時代の変化を感じたものです。若いお客様にとってはSNSは検索サービスの一面も担っているのです。

ホームページや商品ページにのせる写真一つが見る者の心を動かし、その結果として予約という行為に繋がります。

予約サイトの写真の選び方・撮り方 10選

現地体験の楽しさを視覚的に伝える写真とはどのようなものか具体的にみていきましょう!

普段のお客様を想定して撮影する

ホームページに使用する写真で最も大切なことは、実際に現地体験に参加するお客様を思い浮かべることです。

家族連れ、カップル、一人旅など旅のスタイルは様々です。日本人と外国人どちらのお客様が多いのかといった要素もありますね。

美しい写真を使いたいと思うあまりにプロモデルを使用したり、真っ赤に燃えるような紅葉に色味を調整したり・・・見栄えは大切ですのでアピールは大切なのですがお客様の期待値を上げすぎると、「想像していたものと違った」というレビューをいただいてしまったり、クレームに繋がることも。

普段通りお客様にお届けしているサービスやツアーの魅力を誇張しすぎることなく伝えることが大切です。

掲載する写真は最低でも6枚以上

ECサイトでは写真の点数は6枚以上 商品ページごとに掲載するのが良いとされています。5枚以下ではダメということはありませんし、ABテストを繰り返して最適な枚数を導いていただきたいと思いますが、迷ったら6枚以上を目安に設定しましょう。

人物と風景の割合は7:3

例えばアパレル商品でも、洋服を着用した写真を入れると効果的だと言います。現地体験も同じで、美しい風景写真と共に人物を必ず含めるようにします。

特に商品ページのサムネイルには、人物が入った写真を使うと、風景だけのものよりも高いクリック数が稼げることがあります。

商品ページでいえば、人物と風景の割合は7:3になるように設定します。例えばハイキングツアーを販売している商品ページがあったとすると、風景写真の倍の枚数は人物が含まれる写真を掲載します。サムネイルには楽しそうにツアーに参加する人物が入ったものをセレクトするとお客様の目を引くことができます。
人物は動物に置き換えてもOKです!

商品のトップ画像として設定してクリック数を稼ぐ

人物を撮影するときはモデルよりも一般のお客様を被写体にしましょう。モデルは希望通りのポーズを取ってくれますが、どこか嘘偽りある雰囲気が出てしまいます。快く撮影に協力していただけるお客様には許諾書に記入していただき、ホームページに掲載をさせていただきましょう。

現地体験の訴求点とリンクさせる

写真と現地体験の訴求点はリンクさせます。
ツアーのハイライトとして言葉でアピールしたところを写真で視覚的に訴えることができれば効果的!

下の写真は一見するとオシャレでインスタ映えとしては良いのですが、事業者の商品ページに掲載するにはおすすめできません。理由は現地体験のどこも切り取っていないからです。透明度の高さや自由時間の過ごし方を表現しているとも言えなくはないですが、本当に訴求点とリンクされているかを考える必要があります。

ツアーガイドが自慢ならばガイドの写真を、特別なディナー付きならばディナーの写真を、といった具合にお客様へのPRと写真をセットにできればとても分かりやすいサイトになります。

追加オプションもすべて撮影する

訴求点の部分と似ているのですが、オプション販売として設定しているサービスにも写真をつけましょう。

例えば、夕食付のツアーの有料オプションとしてワインが選択できるとします。テキストでの補足説明に加えてこのような写真も添えてオプション設定をすると購入率がアップします。オプションは一度撮影してしまえば、その後のアップデートもほとんど必要ありません。少しの手間暇で購入率や予約単価が変わると思うと大変効率的なアクションといえます。

オプション毎に撮影することが大事

写真は横長で撮る

写真は基本的には横長で撮ります。
横長にする理由は主に3つ。

一つめはウェブサイトにフィットしないため。Nutmegで商品画像を登録する際に、横長写真であれば適切なサイズに自動フィットする仕組みになっています。縦長写真をそのままアップロードすると、下の画像のように縮んでしまったり、赤線部分のように意図せぬ位置でブツ切りにされてしまいます。初めから横長で撮影していればこのようなトラブルを防ぐことができます。

2つ目はスライダー機能を十分に活かすためです。
スライダーとはこのようにスワイプするなどして前後の画像を閲覧する機能。スライダーも横長の写真を想定した仕組みになっています。スマホで閲覧しているお客様は真っ先にこのスライダーに触れますので見づらくならない配慮が必要です。

3つめは安定性があるということ。縦型のテレビはあまり見かけないように、横長になると心理的な安定感を与えます。ご自身のウェブサイトを見返していただき、特別な理由なく縦長で撮影した写真があれば是非この機会に撮り直しましょう。

スマホでやりがちな注意点

スマホを使う場合にはこのように横にして撮ります。こうしないと横長には戻せなくなってしまいますのでご注意ください。

撮影は晴天時に行う

ホームページに掲載する写真は、いつでも差し替えが可能です。しかし実際には写真1点1点をこまめに変更する時間は取りづらいものです。一度掲載したら3か月は使う物と考え、ベストなコンディションでの撮影に臨みましょう。
撮影は晴天時に行い、曇っている日は次の機会を待ちます。青い空の下ではお客様の笑顔も一層明るく見えます。そのような写真が掲載できれば、新規のお客様への強いアピールになるはずです。

太陽光を使いこなす撮影技術に関しては外部サイトもご参照ください。
https://www.shutterstock.com/ja/blog/best-natural-light-tips

画像編集では明るさを大切にする

画像を編集する際には写真全体がワントーン明るくなるように調整をします。
例として筆者が撮影した写真を見比べてみましょう。

たった3つの項目を調整しただけなのですが、右の写真の方が明るい印象になっているかと思います。慣れれば30秒もかかりません。ただし、過度な編集はお客様の期待値を上げてしまうので禁物です。

具体的な調整内容も共有します。使用したAppはWindows付属の「フォト」のみで、写真ファイルはJpeg形式です。※Rawファイルの場合は別のソフトウエアが必要ですが調整項目は似ています。

画像への文字入れは不要

ECサイトでは画像に文字を入れて目立たせているショップがありますね。これは同じECサイト(プラットフォーム)の中に競合する商品が多数ある場合には有効な手段です。少しでもお客様の目を引かないとクリックしてもらえません。
同じ手法が現地体験型の商品にも必要かというとそうではありません。オンラインの旅行会社での経験からお話しすると、画像に文字があるかないかで成約数や成約率が変化したというデータはありませんでした。そうであれば、余計な工数はかけず、写真自体のクオリティをあげることに専念すべきというのが筆者の意見です。

画像を組み合わせる

例えば2つの世界遺産を訪れずツアーがあるとします。このときに、サムネイルとする写真はどうすればいいのでしょうか。方法としては以下が検討されます。

  1. 検索数を取れる画像をトップにする
  2. 2つの写真を1つにまとめる(コラージュする)

「1」に関しては説明は不要かと思いますので、「2」の方法についてお教えします。

コラージュのやり方(無料)

ここでは「FOTORAM」という無料サービスを使用した例です。
https://fotoram.io/collage/jp

テンプレートの中から、画像をアップロードするだけで簡単にコラージュ写真を作成してJpeg形式でダウンロードすることができます。

この写真をサムネイルにして、ツアータイトルを「絶景の〇〇ツアー+ワイナリーでのテイスティング」のようにすれば写真だけで商品内容を伝えることでできます。

まとめ

若年層を中心に、写真の重要性は高くなっています。お客様に現地体験の魅力を伝えるために掲載する写真枚数や明るさ、人物写真の追加やオプションサービスの写真化などを実践しましょう。

大切なことは実際に参加していただきたいお客様を思い浮かべ、その方たちへのアピールとなる写真を掲載することです。