Webサイトの作成方法で世界中でNo1のシェアを誇るWord Press(ワードプレス)ですが、現地体験事業者にとっては、どういったメリットとデメリットがあるのでしょうか。この記事ではワードプレスの簡単な紹介とともに解説していきます。

Webサイト自体の作成の費用一覧や相場が気になる方はこちらを先に読んでください。

ワードプレスとは?

ワードプレスはCMS(コンテンツマネジメントシステム)の1つで、コーディングの知識がなくても、ツールから比較的簡単にWebサイトの作成や管理が行えるサービスです。

公式サイト
https://wordpress.com/ja/

世界最大シェアのCMS

ワードプレスは数あるCMSの中でも、ダントツのシェアを誇っていまます。なんと世界中のWebサイトの約35%がワードプレスで作られたものなのです。

2017年の初めには、WordPressが全ウェブサイトの27.3%を占めていました。 2019年12月には、WordPressは現在の市場シェアの35.2%に達しました。WordPressの市場シェアが単純に増加しているだけではなく、データのある期間でほぼ同じ速度で毎年連続増加しています。

Kinsta WordPressの市場シェアより。

数多くのWebサイトがワードプレスを使って作成されており、皆さんの中には現在も使われている方も多く存在していると思います。

機能自体は無料〜使える

ワードプレスは、CMS本体としての機能とワードプレス公式サイトによるオンラインサービスの2つに大きく分かれています。

CMS本体というのは、自分でサーバーを用意して、そこにワードプレス本体をインストールして使う方法です。このCMS本体だけを使う場合は、なんと無料で使うことができます。※ワードプレス自体はオープンソースのプログラムであり、無料で配布されているためです。

また、自分でサーバーなどを用意して利用するのが難しい人には、ワードプレスの公式サイトから使える「オンラインサービス」も利用ができます。この公式サイトのサービスも無料から使えますが、様々な機能を使うには月に数百円程度のパーソナルプランを使うことに注意してください。

豊富なデザインテンプレートやプラグイン

ワードプレスの大きな特徴は、様々な外部の人たちが作ったデザインテンプレートやプラグインが使えることにあります。

自分でデザイン考えなくても、テンプレートの導入で好きなサイトデザインができます。また、欲しい機能を作らなくても、プラグインを入れて設定するだけで、様々な機能が使えてしまうのです。

ワードプレスを使う時に気をつける点

ワードプレスのサービス内容が分かったところで、実際使うにはどうなのでしょうか?ワードプレスを使うにあたって、気をつけたい点を解説していきます。

それなりの専門知識が求められる

ワードプレスをCMS本体として使うケースが多いのですが、この場合は各種設定を自分で行う必要が出てきます。以下が自分で設定を行う例です。

  • レンタルサーバーの選定と取得
  • ワードプレスのインストール
  • ワードプレスの初期設定
  • デザインテンプレートの導入
  • デザインテンプレートの初期設定
  • 必要なプラグインの調査と導入
  • 各種プラグインの設定
  • 独自ドメインの取得
  • 取得したドメインのDNS設定

見ていただくと分かるように、Webサイトの作成や運営に関する知識がそれなりに求められます。多少知識がある方なら、あまり時間もかからず使い方を学べると思いますが、Webサイト系はまったく分からない方にはなかなか厳しい部分があります。

最初の導入や設定だけで、かなりの学習コストと試行錯誤が必要になってしまうのです。

自己解決力が求められる

シェアNo1のワードプレスのため、使っている人は多く存在します。そのため、使い方や設定方法に関しては、様々な紹介記事や紹介サイトが揃っています。また、デザインテンプレートやプラグインもかなりの数があるため、どういったものを使うかは、自分で調べて決定する必要が出てきます。

加えて、何か問題が起きた時も、同じような問題を解決している人を探したり、問題の解決方法の記事を見つけては試行錯誤が必要になるのです。

つまり、ワードプレスを使いこなすには、様々なことを自分で調べて解決する「自己解決力」が求められることになります。この点、面倒くさがりだったり、調べて解決するのが手間に感じる方には向きません。

ワードプレス専門に設定代行してくれる業者や個人がいる

上記の通り、それなりの専門知識や自己解決力が求められるワードプレスですが、その複雑性から設定を代行してくれる専門の業者や個人がいるんです。

こういった設定代行を生業としている業者へ個別に申し込んだり、Lancersやクラウドワークスなどのオンラインサービスで、設定してもらいたいことを募集して頼んだりも可能です。

また、ワードプレスの初期設定込みでWebサイトを作ってくれる業者も数多くいます。もし何か困った時は、専門の業者や個人へ依頼をしてみるのも1つの選択肢ではないでしょうか。

主に使われている用途

ワードプレスを使うにあたって気をつける点を理解したところで、実際にどういった用途で使われていることが多いのでしょうか。一般的な主な用途をご紹介します。

ブログ向け

ワードプレスの機能の1つして「投稿」を使うことで、各記事ページを作ることができます。この投稿は、時系列やカテゴリーなどに整理された「記事一覧」も同時に作れるため、多くの「自分専用ブログ」の作成によく使われています

AmebaやFC2などの大手ブログサービスでは、あまりカスタマイズができません。そのため、ブログのデザインに拘ったり、広告を掲載してアフィリエイトを行ったりと、融通が聞くワードプレスがブロガーに人気です。

要は、ブログなので細かい個別の紹介ページはいらず、どんどん新しい投稿を作るのに向いていることから、Webサイト作成初心者にも使い勝手が良いのです。

また、ワードプレスでは、SEO対策もある程度は自分で行うこともできます。ブログ運営するからにはアクセスを集めたいところですよね?ワードプレスはSEO向けのプラグインも各種あるので、初心者でも比較的安易にSEO対策をしやすくなっています。

コーポレートサイト向け

会社などは、自社のコーポレートサイトをワードプレスで作るケースも多くあります。ワードプレスはコンテンツの追加や編集がしやすいので、Webサイト作成後も担当者が使いやすいのです。

ただし、コーポレートサイトとなると、最初にWebサイトを作る時はページ分の作成工数が必要になります。ページ数が多ければ多いほどその作業が大変になるため、初期の作成は外部の業者へ発注することも多いのです。

もしコーポレートサイト本体をワードプレスで1から作る方は、どのくらいのページ数が欲しいか、全て自分で作ったほうが良いのか、業者に任せたほうが良いのかなど、詳細な検討が必要です。

ECサイト向け

ワードプレスを使って、ネットショップなどのECサイトを作ることも可能です。EC向けのデザインテンプレートも豊富に揃っているので、好きなデザインを使って自分だけのネットショップを作ることができます。

ただし、ワードプレス本体は「問い合わせフォーム」はプラグインで付けられるのですが、「オンライン販売」や「オンライン予約」を行うとなると、別のサービスと組み合わせる必要が出てきます。

ワードプレス単体では、ちょっとしたショッピングカートぐらいをつけることはできますが、本格的なECサイトにするのは、外部の別サービスを使うことをおすすめします。

メリット

様々な用途に使えるワードプレスですが、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。1つずつ順番にご紹介していきます。

自由自在にWebサイトの作成や編集ができる

ワードプレスは、htmlやcssなどのコーディングの知識なく、Webサイトの作成や運営ができるのが一番の強みです。ツールやテンプレートから、自分好みのサイト作りや各種編集を「自分だけで出来てしまう」のが大きなメリットです。

もしサイトの作成や運営を業者に発注や委託していたら、なかなか自分好みの作りにならなかったり、ちょっと変えたいだけの部分を1回1回依頼して変更してもらう必要があります。

何かあった時に、すぐに対応できるのはWebサイト運営において強みとなります。古い情報がいつまでも掲載されていたり、新しいサービスが掲載できなくては意味がありませんよね?可能な限りWebサイトを最新に保つことはとても重要なことなのです。

デザインを変えやすい

Webサイトの見た目やデザインが気に入らなかったり、古くなってきたので変えたい時が出てきます。そんな時ワードプレスでは、「デザインテンプレート」を変更するだけで簡単にデザインを変えることができます。大きな移行作業なくデザインを変更できるのは素晴らしいメリットですね。

このデザインテンプレートも、無料から有料のものまで多くの種類があります。気に入ったものを試して、気に入らなかったらすぐに戻すこともできるのが強みです。

なお、カスタマイズ発注でワードプレス組み込みのサイトを使われている方はご注意ください。一度デザインを変えてしまうと、最悪元に戻せないことも…詳しくはお願いした業者さんに確認することをおすすめします。

欲しい機能を簡単に入れられる

ワードプレスでは、本体のCMS機能では足りない機能を「プラグイン」を追加することで簡単に使えるようになります。本来は1つ1つの機能を開発したり、業者に追加発注で入れてもらう必要があるのですが、ワードプレスはボタンだけで欲しい機能が手に入るのです。カスタマイズで作っているサイトではなかなか出来ない、すごいメリットです。

このプラグインの種類も非常に豊富で、無料のものから有料のものまで各種揃っています。このプラグインもデザインテンプレート同様に、一度使って気に入らなかったらやめることができます。色々なプラグインを試してお気に入りを見つけましょう。

どういったプラグインを使って良いか分からない・迷う方は、色々な紹介記事のおすすめプラグインから試していくのが良いと思います。

デメリット

無料から使えて、様々なメリットがある優秀なワードプレスですが、逆にどういったデメリットがあるのでしょうか。1つずつ説明していきます。

ページの作成や管理に時間がかかる

ワードプレスは、Webサイトを作成するにあたってのツールは豊富にありますが、肝心のサイトコンテンツを作ってくれるわけではありません。本来はこのサイトコンテンツが一番の目玉であり、お客様へ一番伝えなくてはいけない部分です。

現地体験の事業を営まれている皆さんは、より多くの商品やサービスのページを作ろうとすると、そのページの数だけ作成や管理の手間がかかってくるのです。合計5ページぐらいなら、自分でなんとかなるかもしれませんが、10ページ、20ページ、数十ページとなると管理が追いつきません

また、各商品やサービスページごとのレイアウトを考えたり、デザインを少しずつ変えようとするものなら、その工数は膨大なものになります。専任の担当者を置かない限りは、すぐに運用に限界が来てしまいます。

つまり、ワードプレスを使って現地体験のサービスサイトを作って運営するなら、専任の担当者を置くか、どこかの外部業者へ運営を委託するのが現実的な選択肢になってきます。皆さんのなかには、既にこういった取り組みをされている方も多いと思います。

Webサイトの作成・運営と、Webサイトから生まれる売上を比較して、バランスは取れていますでしょうか?ワードプレスは、費用対効果が出しにくいのがデメリットになっています。

学習コストがかかる

上記で紹介してきた通り、ワードプレスはそれなりの知識と自己解決力が必要です。また、デザインテンプレートの設定やプラグインの設定など、使うこなすには多くの学習コストがかかります

今後も多くのWebサイトを作成・運営するなら、学習して習得する価値があると思います。また、専任を置いて運営出来るなら、ノウハウを得れば得るほどより効果が得られます。

しかし、現地体験を営まれている皆さんは、Webサイトにかける費用や時間を、「サービスの改善や企画」に使っていたらどうなるでしょうか?より多くのお客様に心から喜んでもらうのであれば、本業の現地体験の提供に集中するのが大事と感じる方も多いはずです。

つまり、豊富すぎる機能な分、余計な時間がかかってしまうのがデメリットになります。

SEO対策は自分次第

ワードプレスは、SEOの対策が行えるツール(プラグイン)は提供していますが、Webサイトそのものに対してSEO対策はしてくれません

SEO対策をして集客をしたいのであれば、提供されたツールを使って、自分自身で学んだ上でSEO対策をする必要があるのです。

Webサイトの作成や運営だけでも費用や時間がかかるのに、加えてSEO対策までできる余裕はあるのでしょうか?外部の業者にお願いすることもできますが、更に多くの費用がかかってしまいます。

せっかくWebサイトは作れて運営はしているけど、集客や売上などの結果に直接結びつきにくいのが大きなデメリットです。

予約フォームはあるが、予約機能はない

ワードプレスでは、商品やサービスの予約を行う時に、プラグインとして「予約フォーム」は提供してくれます。この予約フォームは、必要な情報を記入して送信することでメールが送られます。つまり普通にメールでお問い合わせするのと、あまり変わりません。また、各商品ごとにフォームを分けられないため、共通の予約フォームを使うしかありません。

送られてきたメールを確認して、予約に対して返信などのやりとりすることで予約を完結することができます。要は、予約対応の業務が発生します。

また、予約フォームでは、回答に時間がかかるのが分かっているお客様は、直接電話もしてきます。予約センターやバックオフィスのスタッフがいれば良いですが、人手が少なかったり、時差があったりすると対応も大変です、加えて使う言語が違うとなるうと、その対応に専門スタッフも必要になります。

ワードプレスにオンライン予約機能をつけるとなると、更に別の仕組みを入れる必要が出てくるのも大きなデメリットです。時間と費用をかけて作ったWebサイトに、更に別のサービスを入れる必要があるのです。

Nutmegで補完する

ワードプレスのメリット・デメリットは理解できたでしょうか?非常に優秀なワードプレスですが、Webサイトを運営して、集客して手間なく売上に繋げるとなると、別途工夫が必要になります。そこで、Nutmegと組み合わせることで効果を発揮しやすくなる取り組みをご紹介します。

カレンダー型WEB予約を使う

既にワードプレスを使ってサイトを作って運用している方は、そのサイトを活かしたまま「オンライン予約機能」だけをNutmegを使って足すことができます。

具体的には、「カレンダー型WEB予約」機能を使うことで、持ってるサイトを予約サイト化します。このようなカレンダーを、今あるページに簡単に貼り付けることができるのです。

人数を指定して、日付を選ぶと予約可能かどうか表示されます。その上で「次へ」進むと、今のサイト上で各商品別の専用予約フォームが開き、その場でオンライン予約を行うことができるのです。

コーポレートサイトと予約サイトを分ける

こちらもワードプレスで、既にコーポレートサイトを作った方、もしくはこれから簡単なサイトだけワードプレスで作ろうとしている方におすすめの取り組みです。

コーポレートサイト自体は、自社の顔となるため力を入れて作っておき、実際の商品やサービスは別途予約サイトを作って分ける方法です。

どうやって分けるの?と疑問に思う方もいると思いますが、ドメインを変えることで簡単に実現できます。独自ドメインを持っていると、そのドメインから派生した「サブドメイン」という違うURLが持てるのです。

サブドメインとは?

サブドメインとは、簡単にいうと「ドメインの前に別の文字」を使った派生ドメインのことを言います。例えばこのNutmegアカデミーもサブドメインの例です。

Nutmegのドメインの利用例
・ntmg.jp:コーポレートサイト
・academy.ntmg.jp:予約サイトの運営ノウハウ紹介サイト
・app.ntmg.jp :管理画面の利用

このように、同じ「ntmg.jp」でも、前に違う文字を使うことで「テーマを分けてサイトを作る」ことができます。また、各大手サービスでもサブドメインを使うことでテーマを分けたサイト作りをしています。

Yahooのドメイン活用例
・yahoo.co.jp:全体のポータルサービス
・mail.yahoo.co.jp:メールサービス
・auction.yahoo.co.jp:オークションサービス

サブドメインを使ってサイトを分けた例

上記のように、サブドメインを使うことで、テーマを分けたサイトを作ることができます。そこで、予約サイトをNutmegを使って簡単に手間なく作り、サブドメインを使って予約サイトを表示させます。以下が例です。

Nutmeglabs社の利用例
・nutmeglabs.com:通常のコーポレートサイト
book.nutmeglabs.com:予約サイト

このように、頭に「book」や「tour」、「activity」などの文字を使って、コーポレートサイトと予約サイトを同時に持つことができます。

また、このサブドメインは言語を分けるときにも使えます。「jp.xxxxx.com」や、「en.xxxxx.com」など、言語を表したサブドメインを使えば、簡単に多言語サイトが作れますね。

サブドメインは同じサイト扱い

サブドメインを使ってサイトを分けると、それぞれ別のサイトになってしまうのではないか、と不安になる方もいると思います。でも心配は不要です、検索エンジンはサブドメインのサイトは、本ドメインのサイト同じ(サイトの一部)と見てくれるのです。

つまり、SEOの内部対策がされたNutmegの予約サイトをサブドメインで持つことで、本ドメインのサイトにも、SEOの良い影響が期待できます。

もちろん本ドメインサイトのSEO対策は別途必要になりますが、ワードプレスを使って商品やサービスページを持つよりは効果が期待できます。

ワードプレスはブログなどのサテライトサイトとして使う

上記でサブドメインのご紹介をしましたが、逆に本ドメインサイトをNutmegで作り、サブドメインにワードプレスを使ったサイトを作るとどうなるでしょうか。

こちらもSEO対策という意味では同じ効果が期待できます。本ドメインのサイトをNutmegで作ることで、予めSEOの内部対策などが入っています。加えて、ワードプレスでコーポレートサイトやブログなどを作れば、両者に効果が出るのです。

もしNutmegで作ったサイトで本ドメインを使うのであれば、サブドメインで作るサイトはサテライトサイト化(周辺サイト)するのがおすすめです。サテライトサイトでは、よくある質問や有用な情報を書くことで、本ドメインのサイトを補完できます。また、ブログを運営することで、予約サイトだけでは表せない日々の記事も簡単に作れます。

ワードプレスがブログ向きというメリットを最大限使って、工数を掛けずにサイト運営が行えるのです。

まとめ

Webサイトにワードプレスを使うメリット・デメリットを解説しましたが、ご理解いただたでしょうか?非常に優秀なツールであるワードプレスだからこそ、その使いこなしには時間がかかるのが現状です。

特に現地体験の事業を営まれている皆さんには、その費用対効果をしっかりを見極めてから使うことをおすすめします。もし既にサイトを持っていたりしても、Nutmegではそれを補完する設計になっているので、併用しても大丈夫です。

もしどうしようか悩んだら、まずはNutmegで予約サイトを簡単に作り、後から専用のコーポレートサイトやサテライトサイトを作ってみてはいかがでしょうか。