予約単価をアップさせるための別の手段として、「別プランへのアップグレード推奨」があります。お客様の予約後の心理を考慮すると、追加オプションと同様にとっても有効な手段なのです。

この記事では予約単価アップを行うために、別プランへのアップグレードをどのように行うべきか解説します。

プランとは?

そもそもプランとはどういった意味で使っているから確認していきましょう。このプランを使いこなすだけで、様々なメリットが得られるのが特徴です。

プランの魅力自体は下記の記事で詳しく紹介していますので、良かったら見てみてください。

体験本体からの派生商品

プランとは、ツアーやアクティビティの現地体験本体から派生した、少し内容が異なる商品です。例えば観光ツアーがあったとすると、通常のツアー内容に加えて、別途追加の食事が付いたり、通常では立ち寄らないスポットで写真を取ったりが該当します。

ポイントは、通常の商品がベースとしてあり、その上に派生させるような何かがついている商品です。

追加オプションはお客様自身で「自由で体験内容をカスタマイズ」できるのに対して、プランは「当初から決められたものが予め組み込まれている」のが大きな違いですよ。

付加価値をつけたものが王道

プランに関しては、概ね追加オプションと同じ使い方をするのが王道です。つまり体験本体に付加価値をつけて、更に楽しんでもらうような1つ上のラインナップとして加えるのが有効になります。

現地体験では、プラン自体が概ね「アップグレードを想定した作り」になっているのが特徴です。これは航空券やホテルと違って、予約単価や予算が限られている体験商品ならではの特性があり、最初から高い価格で魅せてしまうとお客様に興味を示してもらえない事に対応した結果といえます。

通常の体験商品をベースとして最低価格を示しておき、付加価値を付けることで結果的に「松・竹・梅」のようなアップグレードのラインナップを作ることができます。

なぜプラン化するのか?

結果として追加オプションと違うのに、なぜプラン化するの?と疑問に思うかもしれません。それは、予約前のお客様の検討プロセスやニーズへの対応方法が関連するからです。詳しく見ていきましょう。

予約前の検討

追加オプションでは、商品ラインナップ一覧を見ただけでは内容に気づいてもらえません。何かしら興味を持って商品の詳細情報を見たり、予約フォームにいくことで初めて気づいてもらえるのです。この点プランであれば、当初から商品ラインナップに載っているため、始めからお客様が興味を持って検討をしてくれます。

ニーズへの対応

プランはお客様の「顕在化したニーズ」への対応に強い点です。よく申し込まれる追加オプションがあるのであれば、それはお客様から既に一定のニーズがある証拠といえますよね?それであれば、最初から組み込んで多くのお客様に見てもらうという考えになります。

逆に追加オプションは「潜在的なニーズ」に対応するのが得意で、付加価値のアイデアを試してみるのに使えます。どのくらい予約が入るかわからないけど、こんなものをやってみようという試行錯誤に向いているのです。

このように、プラン化はお客様の興味を惹いて、当初から予約単価が高い商品を予約してくれる可能性を作り出してくれるのが価値です。プラン化がまだの方は是非チャレンジしてみてくださいね。

別プランへの誘導

プランが理解できたら、別プランへの誘導を考えていきましょう。当初から予約単価の高いプランを予約をしてくれるのがベストですが、お客様の予算の都合や予約時の心理からは、通常コースから予約をしてくるのが多い傾向になります。

こういったお客様に対して、別プランを提案して予約単価をUPさせるのが狙いです。

通常コースを予約した人が対象

別プランへのアップグレードが狙いのため、対象とするお客様は通常コースを予約したお客様のみにアプローチするのがポイントです。

1つの商品に対して数多くのプランがあり、様々なプランでアップグレードを狙える場合は、別途アップグレードを進めるベーシック商品群を作っておきましょう。このベーシック商品群に対して、各種アップグレードのプランを割当てていきます。

人気のプランやおすすめプランに誘導

対象とするお客様へ別のプランにアップグレードしてもらうためには、単純に別のプランを並べるだけでは訴求力にかけますよね。予約時にある程度検討した結果、通常コースやベーシック商品群に落ち着いて予約していますので、より興味を刺激するような取組が必要です。

こういった時は、単なる別プランを進めるのではなく、よく予約されていたりアップグレードされる「人気のプラン」を使いましょう。多くの人が参加していたり、アップグレードをしていることを示せれば、キャッチーにお客様の興味を集めることができます。

また、事業者の「おすすめのプラン」も同時に活用ができますよ。人気プランとの違いは、季節ものの限定プランだったり、数が限られている特殊なプランなど、人気度だけでは測れない訴求力があるプランを押し出すことができます。

結果として単価アップができる

ご紹介した人気プランやおすすめプランを活用することで、通常コースやベーシック商品群を予約したお客様が事前にアップグレードをしてくれるようになります。

その結果として予約単価が上がるため、売上の増加に繫げることができますよね。追加オプションはやっている方も多いとは思いますが、別プランへのアップグレードに対応されている方は少ない印象です。

うまく使うことで競合他社やOTA・大手予約サイトとの差別化にも繋がりますので、自社サイト独自のプランの導入を是非検討してみてください。

予約後におすすめする

次に具体的にどのように別プランへのアップグレードを促すのが良いかみていきましょう。

基本的には追加オプションと同様の流れになっていますので、前回の記事を読んでいる方は飛ばして訴求のポイントから読んでくださいね。

マーケティングオートメーションを使う

別プランへのアップグレードに対しては、マーケティングオートメーション(MA)が欠かせません。追加オプションでご紹介したリードタイムの考慮もありますが、今回は通常コースやベーシック商品群を予約したお客様だけを対象にする必要があります。

手作業で対応していると、どのお客様におすすめするかの仕分け作業がとっても大変になります。そこで、事前に設定した商品に対する予約だけにアップグレードをおすすめする「MAの活用」が必須になってくるのです。

予約後の案内から開始

お客様へのご案内は、追加オプションと同様に予約後の案内から開始しましょう。

基本的な考え方は、以前ご紹介したアプローチ時期に沿って対応するのが良いですよ。適切なタイミングでアプローチすることで、別プランへのアップグレードを深く検討してくれるようになります。

別途おすすめメールを送る

予約後の案内に加えて、別途アップグレードおすすめメールを送るのも大事です。この時に覚えてもらいたいのは、追加オプションと別プランへのアップグレードのおすすめを分ける必要がないということです。

お客様の状況に応じて、1人1人がカスタマイズできる追加オプションと、参加者全員が対象になる別プランへのアップグレードは、両方同時に合っても問題ないのです。

訴求のポイント

予約後ご案内やおすすめメールを送った時に、どのように別プランを訴求すべきかを続いて見ていきましょう。ここは追加オプションの訴求とは少し違う点がありますので、1つずつ確認してくださいね。

なぜそのプランがおすすめなのか

アップグレードを促す上でとっても大事なのは「なぜそのプランが良いか」を理解してもらうことです。追加オプションは好みに合わせて選んでもらうため、そこまで訴求がなくても大丈夫なのですが、別プランへのアップグレードとなると話が変わってきます

参加者全員が追加のお金を払ってでも、1つ上のプランにアップグレードしてもらうためには、それなりの利点や理由が必要ですよね。これに対応するように、なぜアップグレードが良いのかをしっかりアピールしなければなりません。

アップグレードがされている理由や、多くの人が後からアップグレードをしている事実などを示すのがポイントになります。

各プランの情報を表示

対象となるアップグレードプランについては、しっかりと各プランの情報を表示するようにしましょう。

ただ、予約案内やおすすめメールは掲載面が限られているため、多くの情報は表示することができません。そのため「人気プラン」や「おすすめプラン」といったマークをアイコンを活用しましょう。こういった訴求を通じて、詳細はWebサイトへ誘導していきます。

興味を持ったお客様が見れるようなプラン別のページでは、より魅力をアピールする必要があります。プランへの予約人数の表示があれば人気度を簡単に示すことができますし、口コミを掲載しておけばこのプランならではの良さを伝えることができます。

特に「口コミ掲載」はプランならではのアプローチになりますので、是非導入をおすすめします。※追加オプションは使ったお客様の専用口コミを探すのに時間がかかるためです

簡単に申込めて完了できる

アップグレード向けのプランの詳細を確認してもらったら、最後にアップグレードの申込です。この時に大事になるのが簡単にアップグレードができるかどうか

予約のようにすべての情報を入れてもらうとなると、お客様としても大変に感じて離脱してしまうケースがあります。可能な限り前回入力してもらった情報は自動で表示し、変更がある部分だけ訂正してもらう動きになるのがベストです。

アップグレードの完了後は、通常コースから別プランにアップグレードした旨が分かるメールやご案内も必要ですよね。間違いなく参加してもらうために、最後までしっかりと対応しましょう。

Nutmegで楽々対応

別プランへのアップグレードは、追加オプションと比較すると更に1つの工夫が必要になっていますよね。こういった工夫が簡単に自動でできるのが、Nutmegのスタンダードプランにあるマーケティングオートメーション機能です。

どういった利用方法ができるのか、ご紹介していきます。

通常コースだけ別プランへのおすすめを設定できる

Nutmegでは各商品ごとにアップグレードの設定ができるようになっています。このアップグレード機能を使うことで、通常コースやベーシック商品群だけ別プランへのアップグレードができるようになっていますよ。

商品別のアップグレード設定

この機能を使うことで、事業者側で必要なコースだけに必要なプランへのアップグレード設定ができるので、人気プランやおすすめプランの表示も楽にできるようになっています。

おすすめメール内で訴求できる

別プランへのアップグレードをするには、興味を持ってもらうためにメール内でアピールが必要ですよね。Nutmegでは「なぜ別プランへのアップグレードがおすすめなのか」簡単に設定ができますよ。よく使われる文章に加えて、ご自身で好きな文章を入れていただくこともできます。

アップグレードの理由を選択・記入

設定した文章は、このようにメール内に分かりやすく表示されます。さらに人気プランやおすすめプランがひと目で分かるので、お客様にとっても魅力的に映りますよね。

メール内の表示

簡単に予約変更できる

専用のWebページからアップグレードに進むと、アップグレード専用のカレンダーを表示して同じ日付だけで申込が行なえます。

プランアップグレード詳細ページ

更に予約フォームに進むことで、今ある予約との比較表や、前回した予約情報を自動で表示足りない部分だけを更に記入してもらう形式を提供しています。

予約申込みページ

もちろん追加の金額が必要なので、事前にカード決済をしている場合は差額だけ決済してくれますよ。現地払いだとしても、どのくらい違いが出ているのかを簡潔に表示してくれます。

アップグレード前の最終確認

アップグレードの前後が分かる

申込み完了後は、アップグレードをした前後関係を改めて表示します。

予約完了画面:アップグレードサマリーと対比

アップグレードが完了することで、元の予約がキャンセルされ、アップグレード後の予約完了メールを自動で送信します。元の予約にはわかりやすいように変更後の情報も自動で記入されます。

元の予約:変更後の情報を表示

まとめ

別プランへのアップグレードによる予約単価狙いはいかがでしたでしょうか?追加オプションと同じくらい有効な方法ですが、見せ方にはひと工夫必要なのがポイントですよね。

これを手作業でやってしまうと、時間や工数だけがかかってやる意味がなくなってしまいます。MAを使うことで対象となるコースを予約したお客様だけに、必要な情報を届けることで効率的・効果的なアプローチが可能になりますよ。

NutmegのMAでは、細かい部分も含めて楽に設定ができ、かつアップグレードを促進する仕組みを搭載しています。単価UPを狙いたい方は、是非利用をご検討ください。